本記事は旧モデルのレビューです。
現行モデルとは若干仕様が異なりますのでご了承下さい。
現在、厚底シューズが席巻しているランニング業界ですが、どうしてもショートスプリントをするには若干重いものが多くなっています。150m〜300mほどの距離であればペガサスシリーズでも十分ですが、より短い距離ではもう少しレスポンスの良いシューズが欲しくなってきます。
今回は軽量+薄底+高反発の「ズームスピードレーサー」をレビューしたいと思います。
概要
通気性に優れたメッシュとダイナミックなFlywireテクノロジーを採用。風通しのよさとグローブのようなフィット感を実現しました。Nike Zoom Airユニットで、スタートからゴールまで抜群の反発力が続きます。
ナイキ特有の謎テクノロジーが採用されており、分かるような分からないような商品説明です。一応マラソンシューズという位置づけのようですが、スピードランナー向けの製品として開発されているようです。
カタログスペック
・重量:約165g(26.0cm片足)
・アッパー:合成繊維(メッシュ+人工皮革)
・ミッドソール:合成樹脂(ファイロン)
・アウトソール:合成底(ドライブソール)+ゴム底
いうだけあって軽量です。ペガサスシリーズ(約280g)より圧倒的に軽く、他社で言えばadidasの「TAKUMI SEN(約170g)」と同等レベル。あちらもスプリンターに愛用者のいるシューズですので、200g切りというのはショートスプリントのシューズを選ぶ一つの基準になってくると思います。
外観
見てのとおり、数年前のリオオリンピックモデルを使い倒しています。正直ナイキのリオカラーはデザインが最高だったので、スパイク含め保存用も買っておけば良かったと若干後悔しています。
▲補強は最低限といった感じ
ソールは薄く、フラットな感じです。商品説明に通気性について言及があったことから、ロードでの使用の想定しているのでしょうか。画像では伝わりにくいですが、カカト部分はけっこう固い造りになっています。
▲土踏まずあたりには透明で硬いパーツが入っている
他社製のシューズとの違いとして目につくのは縫い目の少なさです。日本のメーカーですと結構縫い目がありますが、ナイキは圧着技術が優れているのでしょうか。
特徴・使用感など
とにかく軽量で高反発です。軽いだけのシューズなら他にもあるでしょうが、スプリントの動きにしっかり反応してくれます。傾斜こそ短距離スパイクよりフラットですが、レスポンスはかなりスパイクに近いと思います。
フラットですので、厚底シューズと違い重心を前に転がすような感じはありません。
良い点・悪い点
スプリンターのスピードにも対応
トレーニング全般用シューズより100gも軽く、スパイクのレスポンスにかなり近い感触というのは相当のアドバンテージです。冬の室内大会やコントロールテスト、タイムトライアルなど、スパイクを使えない場面でも活躍すると思います。
足への負担は大きい
「マラソンシューズ」という位置づけですが、これで本当にマラソンを走れるのでしょうか?
私はジョグも無理でした。トレーニングシューズを一足で済ませようとするなら、あまりお勧めできません。流し〜ダッシュトレーニングから履き替えて使うなら良いと思います。
アキレス腱にあたる
かかと部分のフチがアキレス腱にあたります。普段は良いのですが、アキレス腱痛が出ているときに履くと薄底特有の負担も相まって地獄を見ます。後継モデルはこの部分の造りが変わっているので、多少は緩和されていると思います。
総評
通常のシューズに加え、スプリント用の一足として選択肢に入れて良いと思います。
ロードでガシガシ使う場合は消耗品のようになってしまいますが、値崩れしやすく投げ売りされていることもあります。
厚底シューズの波に押されてか最近は見なくなってしまいましたが、個人的には薄底シューズの巻き返しにも期待したいところです。
今回はここまで。