向かい風参考記録

北国在住。陸上競技、その他 いろいろ。

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トレーニングとアイシングの効果について、好き勝手書く

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【caution!】

本稿は私見が入った記事です。

終わらないアイシング論争

スポーツ界では、いまだ決着がついていない論争がいくつかあります。

陸上競技でいえば「走り込みは必要か」「ウエイトトレーニングは必要か」といった話題は大昔から議論されてきました。

アイシングの効果や要・不要もそのうちの1つといえます。今回はそれぞれのケースで、想定される効果や要・不要について考えていきます。

アイシングが登場する様々なシーン

アイシングには様々な手法やシーンがありますが、今回は下記3つのケースで考察していきます。

  • トレーニング前
  • トレーニング後
  • 受傷後

トレーニング前のアイシング

アイシングの効果として広く知られているもののひとつに「痛感神経を麻痺させ、筋スパズムを軽減させる」というものがあります。

とはいえ私個人としては、トレーニング前のアイシングには懐疑的です。理由は2点。

  • アイシングで筋温が下がりパフォーマンスが落ちる
  • アイシングしなければ堪えられないレベルでトレーニングしても意味がない

例えば、スプリントに最適な筋温は39度程度といわれています。

【参考リンク】寒い日の短距離の試合は如何にしてウォーミングアップをすべきか考えてみる

当然、至適筋温から外れた状態で高負荷をかければ更なる怪我につながりかねません。

一方で、筋痛で体がこわばっている時のウォーミングアップ前のアイシングは有効、という考え方もあります。

ザムストのサイトでは、運動前のアイシングについて下記のように書かれています。

アイシングによって筋肉や関節の痛みに対する鎮痛効果(痛み閾値〈いきち〉の上昇)が得られますので、ウォームアップ時にはその効果を利用することで痛みを感じることなく始動できます。

また、骨格筋内の感覚受容器である筋紡錘〈きんぼうすい〉の活動低下によって筋肉の緊張が緩和され、それに伴う可動域アップを目的としています。

サーモグラフィを使っての皮膚の温度調査では、アイシング後20分間とアイシング前とを比較すると、10℃以上の差がみられました。

冷却効果が持続している時間内にウォームアップを開始すれば、疼痛を緩和した状態でより効果的な始動ができますので、スムーズに活動期へと移行できると考えられています。

ZAMST より引用

ということで、試合やトレーニング前のアイシングについては一部有効と考えられます。

動き出しのこわばりを軽減し、可動域を確保して十分に温まってからダッシュなどの刺激を入れると良いでしょう。

トレーニング後のアイシング

論争の種のうちの1つです。近年は更に要・不要派の激しいバトルが繰り広げられています。

といいますのも「トレーニング後のアイシングがトレーニング効果を下げる」といった旨の論文が発表され出しているのです。

運動後の冷却が筋力トレーニングの効果に及ぼす影響

こちらの論文では、下記の手法で実験を行なっています。

被験者は、両側のハンドグリップ運動を筋力トレーニングとして、週3回の頻度で4週間にわたって行い、毎回の運動後、被験者毎に決められた一側上肢を20分間冷却した。

トレーニング期間の直前と直後に、最大筋力および筋持久力を測定し、その変化を冷却側と非冷却側(対照側)で比較した。

アイシングの時間なんかはスタンダードな感じですね。結果は下記の通り。

本研究に用いた冷却は、筋力トレーニングによる最大筋力の増大に影響を及ぼさなかったが、筋持久力の向上を抑えた。

このことは、運動後に行う活動筋の冷却が、持久的なトレーニング 効果を減衰させる可能性を示唆し、明らかな傷害のない部位へのアイシングを行う場合には、その影響について配慮する必要があるものと推察された。

 「もしかすると筋持久力の向上には悪影響かもしれない」といった感じですね。

とはいえ、トレーニング効果については様々な要因があります。一概には言えなさそうですね。興味のある方は下記リンクから全文に飛べます。

【参考リンク】運動後の冷却が筋力トレーニングの効果に及ぼす影響 

トレーニング後のアイシングが筋肥大に及ぼす影響

こちらは探し方が悪かったのか、抄録しか見つかりませんでした。掲載するか迷いましたが掲載させていただきます。こちらは週3回のアームカールです。

(前略)推測の域は脱しないものの、筋肥大を目的としたトレーニング後に、疲労の軽減や除去などのアフターケア、クーリングダウンを目的としたアイシングを行うことは、筋肥大の効果に対してマイナスの効果を及ぼすことがわかった。

その原因については上記に挙げた二点が推測されるがその因果関係については、筋内の炎症の度合いについてと筋周辺の血管内の疲労物質の測定による実験を今後行って証明する必要がある。またそれ以外の理由についても更なる実験で究明する必要がある。

 結論としては慎重ですが、筋肥大に対して悪影響かもしれない…といった結果です。

【参考リンク】トレーニング後のアイシングが筋肥大に及ぼす影響

トレーニング後のアイシングに対しての私見

ここまでご紹介した論文を見ると、何だかトレーニング後のアイシングにはマイナスの効果があるように思えます。

しかし、私個人としては「体感効果があるならやった方が良い」と考えます。

そもそも、上記論文でもマイナス効果が出てしまったメカニズムについて明らかにし切れていません。トレーニング後の炎症物質の中に筋肉を成長させる物質も一緒に入っており、それも抑制してしまった等といった説もありますが、定かではありません。

また、競技スポーツをする上でのトレーニングは上記の実験より高頻度・高負荷です。多少筋肥大にマイナスの影響があったところで、疲労や怪我のリスクを軽減できるというのであれば積極的にアイシングすべきです。

長距離の大迫選手も所属しているオレゴン・プロジェクトでも液体窒素でのアイシング風景が見られます。やはりアイシングは、ハードトレーニング後の疲労軽減に一役買っているのではないでしょうか。

ということで、私自身は「体感効果と相談して決める」に一票です。

受傷後のアイシング

通常、受傷後は3日ほど急性期が続き、その後は慢性期に移行すると言われています。

一般的にはこの急性期は炎症拡大を防ぐため、積極的にアイシングすべきと言われていますし、私もそう考えます。

中には「受傷直後から温めるべき」といった派閥もいますが、今のところは過激派扱いされています。

受傷後のアイシング効果については、今後の研究に期待といったところでしょう。

まとめ

いつものようにフワッとした感じになってしまいましたが、アイシングは「何となく」やっていても効果が薄いです。

必ず根拠になりそうなデータを探して、体感効果と照らし合わせてみて下さい。

これから冬期トレーニングも強度を増してくると思いますが、各種ケアの一環として積極的にアイシングも取り入れてみて下さい。

 

今回はここまで。