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寒い日の短距離の試合は如何にしてウォーミングアップをすべきか考えてみる

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どうも、森です

最近はめっきり寒くなりましたね。

今回はこの「寒い日の試合はどう過ごすか」を考えてみたいと思います。

そもそも短距離に最適な筋温は

記事の冗長化を避けるため「ウォーミングアップとは」「ウォーミングアップの効果とは」という説明は省略します。

ウォーミングアップの効果については様々なエビデンスが示されていますので、興味がある方は是非調べてみてください。

至適温度になれば、平常温度と比較し30%パフォーマンスが上がる、という説もあります。

ウォーミングアップの効果については様々な説があり、その説ごとに数字のバラツキもありますが、最適な筋温についての見解は概ね一致しています。

理想の筋温は39度くらいといわれています体温にすると38度5分くらいでしょうか。意外と高いですよね。

寒い日の装備はどうするべきか

当たり前の話になってしまいますので手短に。

いつもの装備に以下のものを加えると良いでしょう。

・ニット帽

・ネックウォーマー

・手袋

・カイロ

ポイントとしては末梢部を冷やさないことです。

冷えた血液は全身を巡り、体温を低下させていきます。

「走る競技だから脚を冷やさなければOK」ではありません。

秋の大会などは意外とネックウォーマーをしている人が少ないんですが、首には頸動脈が通っています。冷やさないに越したことはないでしょう。

カイロはどこに貼るべき?

好きにしたらいいんじゃないの…というのが正直なところですが、太い血管が通っているところや、スプリント動作に関係のある筋肉のある箇所に貼ると良いでしょう。

私は前腿のやや内側、ハムストリング、下腿(腓腹筋)のあたりに貼っています。

ハムストリングに貼る理由

ハムストリングは冷えやすいからです。このブログをご欄の方は試しに太腿の裏側を手で触ってみてください。ちょっと冷たくないですか?

表皮温と筋温は違うものですので一概には言えませんが、手で触って冷たい、と感じるということは筋温39度には至っていないはずです。

大腿部と下腿部に貼る理由

大腿部には太い血管が通っていますし、下腿部は「第2の心臓」と言われるくらい血液の循環に関係がありますからね。

あと私自身、寒い日に下腿を痙攣するものですから痙攣防止の意味合いもあります。

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▲このへんに貼る。下腿はけっこうすぐ剥がれてきます

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▲内腿には太い血管が

カイロが途中で剥がれてきたら…

寒い日にはぶっちゃけ服の上から貼ってもクソの足しにもなりません。よって皮膚に直貼りしています。そして、その上からロングタイツを履いて剥がれにくくします。

そのうち汗で剥がれてきますが、それだけ発汗していれば概ね十分なウォーミングアップができた指標だと考えています。

皮膚が弱い方は自己責任でお願いします…。

その他装備について

タイツはロングタイツだけではなく、上半身用のタイツも併用しましょう。保温性がかなり違ってきます。

私自身は圧迫感が出ると動きが制限される感じがして嫌なので、着圧が緩めのものを使っています。

防寒面だけを考えると厚手の靴下を履くべきですが、スパイクの中での足の感じが変わるのが嫌で厚手のものは履いていません。

カーフサポーターも同様、履いていて違和感が出るようなら使わなくてもいいと思います。

ウォーミングアップの流れ

外気温にもよりますが、ウォーミングアップをしていても体温がなかなか上がらないことがあります。外気温が低すぎると呼吸をするだけで冷えていきますしね。

そんな時のウォーミングアップの流れについて、ざっくり書いていきます。

まずは筋温優先

下記は有名な図ですが、筋温はウォーミングアップ開始15分ほどで至適温度に達し、その後は一定となります。

f:id:Wetland:20181025225911p:plainAsmussen,Eら : Body temperature and capacity for work.より引用

ではウォーミングアップは15分で良いのか、と言われればそうではありません。

呼吸・循環器系や神経系の能力などが整うまではもう少しかかります。ただし、ドリルなど動作確認をするときには筋温は至適になっているのが望ましいです。よって、まずは15分ほど筋温を上げる運動を行いましょう。

場所がないなら補強運動

屋外があまりにも寒い場合は、更衣室などの室内スペースを見つけて補強から開始するのも良いでしょう。

体幹のスタビライゼーション・トレーニングなど行うと、かなり血液が循環する感じがします。

▲こういうやつです

走る運動ですと上半身に刺激が入りにくいものですから、腕立て伏せなども良いと思います。

動作確認は手短に

筋温が十分に高まったらドリルで筋・神経に刺激を入れ、動作確認を行います。

やはり気温が低いので、動作確認は手短に行うべきでしょう。

私は冬の室内大会に出た際、近くの駅の構内で筋温を上げる→そのへんの道ばたで動作確認→会場でショートダッシュ、といった流れで自己ベストを出すことができました。

会場が混雑している時は、自分で場所を見つけて動くのも楽しいですよ。

その他、やっておくと良いことなど

準備周到な人は、飲み物も暖かいものをとるようです。

水筒を用意するのが面倒なときは、当日自販機でホットコーヒーを買っています。

私の場合ですが、招集場の列に並ばされて動き回れないときなどは息止めをしています。

1分くらい息止めをすると血液が循環している感じになります。あまりやりすぎるのも良くありませんので、注意して下さい。

後は「寒くても自己ベストを狙うぞ」という気概です。

例えば桐生選手が高校2年生で当時の高校記録10秒19をマークしたのは11月ですし、伊東浩司さんが当時の日本記録10秒00を出したのは12月です。

まだ記録会がある方々は是非頑張って下さい。陰ながら応援しています。

 

今回はここまで。