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【スパイクレビュー】オーダーのド定番・インクススプリントを1シーズン使ったのでレビューします

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【caution!】

オーダースパイクについての記事です。

市販品とは仕様が異なりますので ご了承下さい。 

www.mukai-kaze.com

上記記事でオーダーしたスパイクについてレビューしたいと思います。

 

 

 

 概要

市販品ではないので、カタログスペックなどは省略します。

インクススプリントとは…

「インクススプリント」という名前のスパイクは公式には存在しません。

STEPさんが便宜上付けた名前がここまで普及したようです。

ameblo.jp

 

20年ほどの歴史があるということで 需要は高いようですね。

でもあの色彩の暴力みたいな配色はどうかと思いますよ、STEPさん。

 

過不足がないスパイク

このスパイク、一言で表すと「過不足がない」という言葉に尽きます。

このあたりはSTEPさんのブログでもこのように書かれていますね。

 

ピン配列に関しては 2-3-4 セミロングプレート。

1軸と2軸の中間を演出しているような感じで 当たり外れが少ないのも特徴です。

硬すぎず、柔らかすぎず、グリップもかかる感じ。

Spikeがいまいちよくわからないスプリンターにはお勧めしたい1足です。 この仕様に関しては世界陸上で多○選手が履いていたプレートになります。

 

このあたり、過不足がない分突き抜けてはいないので

「物足りない」と感じる方もいるかもしれません。

 

多田選手ほどの選手であってもナチュラルに使用しているわけですから

スペック上は必要十分だと思います。

使用感など

フラット+グリップ=面で接地できる

f:id:Wetland:20180926010515j:plain▲国産なだけあって縫製が細やかで素晴らしいです

 

ミズノのスパイクとしてはフラット寄りの構造で、接地の邪魔にならない感じです。

 

ミズノには同じくフラット寄りのクロノオニキスがありますが

インクススプリントはよりフラットで、よりグリップする構造です。

 

点での接地ではなく面で捉える走り方にマッチするのではないでしょうか。

(乗り込む、足裏のローリング、〇海大っぽい走り方ともいいいます…笑)

 

過不足のない丁寧な造り

f:id:Wetland:20180926011042j:plain▲ベルト部分は刺繍もできます

f:id:Wetland:20180926011045j:plain▲クロノインクスのアッパーでカカトがこの黄色なら大体このスパイク

 

これはスパイクだけでなく、概ね殆どの道具に言えることですが

「軽快さ」と「サポート性能」というものは、本来は相反するものです。

 

スパイクで言えば、軽量スパイクはアッパーのフィット感に難が出たり

ピンが少ないことで「接地がスッポ抜ける」感覚が出たりします。

 

インクススプリントは、

この「軽快さ」と「サポート性能」を高水準で備えています。

他のスパイクとの違い

プレート・ピン配列

f:id:Wetland:20180926012052j:plain▲左からアディゼロプライムSP、クロノオニキス、インクススプリント

 

アディゼロプライムSPは6本、インクススプリントは9本ですから接地感にも

かなりの差があります。

 

こうして見るとクロノオニキスの方が中足部がタイトな気がしますが

インクススプリントのフィット感がルーズとか、そういうことはありません。

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▲よりグリップするピンを採用している

プレートの傾斜

f:id:Wetland:20180926012633j:plain ▲平置きの状態では差はわかりにくい

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▲インクススプリントの方が接地感的にも、よりフラット

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▲クロノオニクスは 指の付け根あたりで接地できるような構造に見える

プレートの見た目上の傾斜はクロノオニキスと大差は無いように見えます。

 

しかし、履き心地としては軽量のオニキスよりサポート感があります。

クロノオニキスはピンの突き上げ感が気になる、という方も

インクススプリントならその辺り問題ないでしょう。

 

コーナーにも対応

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▲インクスアッパー特有のカカト周辺構造

 

昨今の軽量・高反発スパイクの難点として

「コーナーを走っていると小指側がいきなり破れたりする」

「かかとの辺りが歪む・ねじれる感じがする」等があります。

 

インクススプリントはそのあたりで分があるといえるでしょう。

走った限り、コーナー走も問題ありませんでした。

 

良い点・悪い点

バランスの良さは表裏一体

何と言ってもフィット感、反発、軽さといった短距離スパイクに求められる要素が

とにかくバランス良く高水準。これがこのスパイクの良いところです。

 

しかし、バランスが良く高水準であるということは、同時にちょっと半端であるともいえます。

反発、軽さを求めるのであればクロノインクスに分があります。

ゆえにこのスパイクは市販品として並ばないのでしょう。

反発は中くらい

私は気になる点として考えてはいませんが、反発が弱いと感じる人もいるようです。

プレートも1枚で完結している構造ではないので、一体型プレートの弓のようなしなりは確かに無いです。

 

あとはプレートがへたり易いという意見もあります。

これはこのスパイクに限ったことではなく、ミズノのオールウェザースパイク全般にいえることでしょう。

絶妙なグリップ感

グリップ感に反して抜けは悪く無いです。

絶妙なピンの長さ・配置設定の賜物でしょう。

固定ピンは3本で、6本は付け替え可ですので調整も効きます。

練習で使える

クロノオニキスのように履いていて脚が消耗する感じもありません。

競技場練習は週末くらいしか出来ない、という人は練習で使用しても良いでしょう。

 

総評

総じて優秀なスパイクだと思います。

何だかんだ、買ってはみたけど全然合わない!といった意見を聞いたことがないです。 気になるのは耐久性と剛性くらいですね。

 

反発が物足りないという場合は、特注でカーボンをかませるといった方法もあるようです。

しかし、そもそも特注できるルートが限られている、高価といった問題もあるようです。  

 

現行の市販品が合わなくてフラット接地志向の方は

是非、候補のひとつに入れてみてはいかがでしょうか。

 

 

今日はここまで。