向かい風参考記録

陸上競技 その他 いろいろ

短距離・跳躍・投擲対応トレーニングシューズ『ビルトトレーナー2』をレビューしてみる

f:id:Wetland:20201217014438j:plain

近年、各メーカーが続々と高機能のランニングシューズを発売しています。しかし、ランニングと瞬発系の動きではシューズにかかる負荷や求められる要素も違います。今回は短距離のダッシュからウエイトトレーニングまで対応の万能トレーニングシューズ『ビルトトレーナー2』をご紹介したいと思います。 

概要 

短距離・フィールド選手のための万能厚底トレーニングモデル。リピーター多数。

mizuno公式サイト より引用

『ビルトスプリント2』は「トレーニングシューズ」という位置づけの製品です。ランニングシューズのようなサポート性は控えめで、シューズ性能に頼らない動きを身につけるための道具となっています。

カタログスペック

f:id:Wetland:20201217022629j:plain

素材 甲材/合成繊維・人工皮革 底材/ゴム底
原産国 日本製
質量 約250g(26.0cm片方)
用途:スプリント、ドリル、サーキットトレーニング用

ランニングシューズとは違い、スプリントやドリルでの使用を想定した強度設計です。ハードな使用を想定してか、130〜140gの軽量シューズと比較すると少し重めに作られています。

外観

f:id:Wetland:20201217022711j:plain

▲縫い目も綺麗

国産なだけあって、丁寧な造りが目を引きます。最近のランニングシューズは軽量化の目的もあってアッパー全体がメッシュ素材になっていることもありますが、ビルトトレーナー2は擦れや捻りのストレスのかかる部分は補強されており、縫製も丁寧です。

f:id:Wetland:20201217023510j:plain

▲右はNIKEのペガサス34。アッパーだけでこれだけ違う

ソールは地面からの反発が得られるよう、フラットな造りになっています。この辺りも自然と前に転がるようなサポート感のあるランニングシューズとは全く違います。

f:id:Wetland:20201217023736j:plain

▲ヒールカウンターもしっかりした構造

f:id:Wetland:20201217023740j:plain

f:id:Wetland:20201217024045j:plain

▲サポートは最小限

f:id:Wetland:20201217024000j:plain

▲中足部のシャンクもなく、しなるような反発はない

特徴・使用感など

フィット感はなかなか良く、あまり重さは感じませんでした。また、外観からは分かりませんが中足部に若干のアーチサポートが入っています。これにより、フラットなソールながらも板を履いている感が軽減されています。

用途上ジョギングには適しませんが、ソールがフラットなのでドリルやスプリントでは地面へのプッシュを意識しやすいように感じました。余計なクッションや転がり感がなく、乗り込みを意識できます。というより、脚だけで叩き動作のような形になるとペタペタして全然進まなくなります。私はスピードが上がってくると叩き癖が出やすいので、叩き癖の矯正には効果的だと感じました。

良い点・悪い点

技術・感覚養成向き

サポート性能は控えめですが、その分クッションへの無駄な沈み込みなどはなくレスポンスは良好です。いわゆる接地感覚の養成や、バウンディングやウエイトトレーニングなどの地面への強い押し込みが発生するようなトレーニングにも向いていると思います。

ソールの耐久性はない

ソールは溝も深めでいかにも耐久性がありそうに見えますが、アスファルトやコンクリートの路上で使うと、かなり削れやすいとの報告があります。私も何度か外で使いましたが、路上でガンガン走り込むような用途にはあまり向いていないと感じました。

総評

そのニッチな用途ゆえ、市民ランナーには全くウケないシューズといえましょう。履けば速く走らせてくれる類のシューズではありませんが、感覚を養成するトレーニングギアとしては有用だと感じました。国産なのでどうしても価格が高めなのが若干のネックですが、稀にセールにかかっていることもあります。オーダーはどうしても高いという方は、そちらをチェックしてみることをおすすめします。

 

今回はここまで。