北海道内には「開基100年」を祝う塔が複数存在します。全てがそれなりのサイズを備えており、それぞれの町のランドマーク的な存在となってるようです。今回は既に半廃墟化している「滝川市開基百年記念塔」に立ち寄ってみました。
概要
開基百年記念塔は1990年、滝川市開基百年記念事業の一環として翌1991年に建設されました。当初は相応の集客があったそうですが、経営状態の悪化から1999年3月に閉館。実働約8年という短期で閉館した後は、改修も取り壊しにも費用がかかることから完全に放置されているようです。
2018年時点では出入口階段タイルやエレベーター部ガラスの損壊、雨漏りや手すりの腐食による階段の使用が不能となる劣化が生じ滝川市観光国際課は財源不足で解体費が出せない他記念建造物のため容易に解体が出来ないとしながら当面は倒壊の心配はないとして現状維持の方向性を示唆している。
wikipedia より引用
行政側から見ると負の遺産化しているのか、滝川市のホームページでは記念塔について紹介されていません。議会では今後のあり方について追及されているようですが、頭が痛い問題ですね。
アクセス・営業時間など
閉業のため無し
札幌市からは高速道路を利用して車で1時間30分弱。わざわざこのためだけに札幌市から高速を使ってアクセスする価値があるのかは微妙ですが、塔自体は道央自動車道からでも目視することができます。
館内・周辺を散策してみる
平面地図でも見て分かるとおり、周辺は今でも公園として開放されています。この記念塔について紹介しているサイトで大体ツッコミが入るのは入口にあるこの看板。
▲「当分の間」休止だそうな
「当分の間休止」決定から20年以上が経ってしまった今となっては一種の風格すらありますが、公式には閉館ではなく休館なのでしょうか。
塔自体は公園の少し小高くなった場所にあるので、そこを目指していきます。ちなみにこの公園自体、昔の発電所の残灰を埋め立てた土地だそうな。
▲丘が標高55m+塔が45mで約100mとのこと
遠目に見る限りでは再稼動しても大丈夫そうに見えますが、近くで見ると壁面のヒビ割れなど老朽化が目立ちます。現実的に再稼動は不可能でしょう。
▲ガラスも何箇所か完全に割れている
塔の周りは「プレイスロープ」と称した遊具があるのみ。特に遮るものもなく、周辺の平野を一望できます。芝生も綺麗に整備されており、ロケーション自体はかなり良いです。
▲今でも市民の憩いの場であることが窺える
記念塔そのものにテコ入れするのは難しそうですが、民間を巻き込めれば観光資源として活用できるのでは?とも思います。そのくらい良い眺めです。
当時に思いを馳せる
記念塔近くの碑には「先人に対する感謝」「市民の熱い思いを後世に伝える」といったメッセージが綴られていました。思えばここから見える平野も、かつては一面の湿地や原生林だったはずです。今や半廃墟と化してしまった記念塔ですが、今後も暫くは先人を偲ぶランドマークとして残り続けることでしょう。
今回はここまで。