昨今のフィットネスブームにしたがい細分化が進むサプリメントですが、字面も謳われる効果も似ている「BCAA」と「EAA」は一体何が違うのでしょうか。
トレーニーの皆様にとっては釈迦に説法ともいえますが、今回は復習と備忘録を兼ねて書いてみました。
概要
「BCAA」「EAA」の二者を説明するには、まず「必須アミノ酸」「非必須アミノ酸」を知っておくと理解が早いと思います。
ヒトのタンパク質を構成するアミノ酸は全部で20種類あり、うち「必須アミノ酸」は体内で合成できないため食品から摂取する必要があります。
「非必須アミノ酸」は字面と「体内で合成できる」ことから摂取の必要がないと誤解されることもありますが、年齢や生活スタイルによっては欠乏することもあるため日々の生活で摂取することが推奨されています。例えばアスパラから摂れる「アスパラギン酸」は非必須アミノ酸のひとつです。何となく摂っておくと健康なイメージがありますね。
BCAAとEAAの違い
実は「EAA(Essential Amino Acids)」というのは先に挙げられた「必須アミノ酸」そのものを指します。この「必須アミノ酸」のうち「バリン」「イソロイシン」「ロイシン」の3種類を併せて「BCAA(branched-chain amino acids)」といいます。
したがって「EAA」は「BCAA」をすべて含んでおり、かつ他の必須アミノ酸を網羅しているということになります。
効果の違い
BCAAは運動中にパフォーマンスや集中力を高め、筋肉の分解を防ぐためのサプリメントとして知られています。EAAはこれらの効果に加え、その他必須アミノ酸を含むため筋肥大効果が高いという説があります。
ただしBCAAの他の必須アミノ酸は十分な食事やプロテインで充足するのでは?という考え方もあり、前提条件によって一概にはいえません。EAAは副次的な効果(肌質が良くなった…等)の感想はよく目にしますが、BCAAより格段にフォーカス感が出た!などの報告は少なく感じます。EAAで体感が変わらなければBCAA+食事で必要十分ということでしょう。
価格
当然ですがEAAの方が割高です。1kgでみるとBCAAで5,000円前後、EAAで10,000円前後でしょうか。1.5〜2倍くらいの価格差があります。「EAAを買うならその分BCAAをいっぱい買って摂った方が良い」という考え方もあるでしょう。
トリプトファンについて
EAAをトレーニング前に摂取しようと考えている人にとって「トリプトファンが入っている」というのはひとつの懸念材料でしょう。トリプトファンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、精神の安定やリラックスに重要な働きをもっています。
一方、こういったある種の鎮静作用がトレーニングには集中力の低下や疲労感などマイナスに働く可能性も考えられます。実際、BCAAの摂取で集中力が高まるのはトリプトファンが脳内に取り込まれにくくなることが一因であるといわれています。
この説はハッキリとした決着がついていません。実際、中にはEAAという名前ながらトリプトファンを排除した製品も出ています。私はトリプトファン入りのものを摂っていますが、今のところ懸念されるデメリットを感じたことはありません。
まとめ
- EAA=必須アミノ酸、BCAAはEAAの一部
- 効果は「大は小を兼ねる」とは限らない
- 価格はEAAの方が割高
EAAの方が多くの成分を含んでいますが、どんなケースでもEAAの効果が高いというわけではありません。このテの類似したサプリメントは体感効果が全てだと思いますので、より自分に合った方を選ぶべきでしょう。
個人的には食事+プロテインで充足する部分も大きいとは思いますが、ガス欠になりがちな減量期などはEAAがじわじわ効果を発揮するかもしれませんね。
今回はここまで。