本稿は私見が含まれた記事です。
皆さんは、ご自身の靴のサイズを把握されていますか。多くの方は普段履いている靴から判断していることと思いますが、本当にそのサイズは正しいのでしょうか?
今回はフィーリングだけで判断しがちなシューズの「フィッティング」の話題です。
概要
ヒトが靴を履き始めたのは紀元前の頃からですが、日本に西洋式の靴が来たのは150年ほど前の江戸時代末期〜明治時代初期頃といわれています。
その名残でしょうか。日本人は比較的ゆるめの靴を選ぶ癖があるそうで、過半の人が本来より大きい靴を履いているとの調査もあります。特に足囲(足幅)に関してはA、B、C、D、E、2E、3E、4Eの8段階の中で「2E」「3E」を履いている人も珍しくありません。
研究紹介
今回は大阪学術大会論文集より「柔道整復師による靴のフィッティングと靴の履き方・選び方の指導」をご紹介したいと思います。
対象
平成26年の大阪マラソンのブースに訪れたマラソンランナー114名(男性64名、女性50名)が対象となっています。
研究の内容
フットゲージとメジャーを用いて足長・足囲(荷重位・非荷重位)・足幅(荷重位・非荷重位)を計測しています。
ここでの「荷重位」は立ち上がって足に体重をかけたポジションです。非荷重位に比べた荷重位のサイズには個人差があるようです。
結果
靴サイズの捨て寸を考慮し差異が1cm以上を大きめの靴と考えると、男性83%、女性の73%が大きめの靴を履いているとの結果となりました。
上記は男性の結果ですが、足囲(足幅)に関しても非荷重位でB、荷重位2Eが多く「非常に細い足が多い」との結果。女性も同様の傾向(非荷重位A、荷重位D) でした。
「日本人は幅広足が多い」の先入観のもとランニングシューズコーナーにも3Eサイズなどが売られていますが、 この調査では「日本人が幅広というのは間違った認識」と断言しています。
なお正確なフィッティング方法として、靴の中敷を取り出して測定する方法が紹介されています。
また、レアケースとして荷重位と非荷重位のサイズ差が3サイズ以上の場合は非荷重位寄りの幅が良いとしています。
まとめ
・7〜8割の人は適正サイズより大きめの靴を履いている
・日本人だから幅広足ということではない
・足長は中敷ー実際の足で1cm前後が適正
靴を合わせる際は荷重位で足が広がった状態を基準にしがちですが、実際には非荷重位のサイズを加味すべきのようです。
今まで「自分は幅広」と思っていた方も、一度は足型測定会などで正確に測ってみると良いかもしれませんね。
今回はここまで。