向かい風参考記録

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中高生〜一般の陸上競技者に丁度良いくらいのコントロールテスト指標は?

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caution!

本稿は私見が含まれた記事です。

陸上競技にはオフシーズンというものがあり、この期間は基本的には大会がありません。トレーニングの進捗や課題を把握するための手段のひとつとして実施されるのが「コントロールテスト」です。

今回はこの「コントロールテスト」の話題です。

概要

コントロールテストは、主に「トレーニングの管理」「パフォーマンスの予測」「タレントの発掘」の3つの目的によって実施されます。

例えばボブスレーの発掘テストでは30mダッシュや立ち幅跳びといった瞬発系の種目が実施されるなど、競技特性と近いもののスコアから伸びシロや潜在能力を測ることができるとされています。

「コントロールテストのスコアから期待できる記録」の対照表は世の中に数多く出回っていますが、中高生〜一般競技者の目標として丁度良いくらいのものはまだ少ないような気がします。

研究紹介

今回は陸上競技研究紀要より「中学生陸上競技者におけるコントロールテストの評価基準表の作成の試み」をご紹介したいと思います。

対象

全国大会出場相当の中学1、2年生(男子286名、女子315名)が対象となっています。短距離、跳躍、中長距離、投てき選手のうち、基準表の作成は短距離・跳躍選手のデータを用いたとのことです。

100mの全日中の参加標準記録は11秒20ですので、参加者はこのくらいの競技レベルがあると推測されます。

さらに全日中、ジュニアオリンピック入賞者は「エリート競技者群」それ以外を「優秀競技者群」として分けて統計対象としています。

研究の内容

以下6種目7項目を実施しています。

30m走スタンディングスタート、スパイクなし、一歩目の接地から計測
立幅跳文科省による体力テストに準拠して実施
立五段跳

左右脚の交互による連続跳躍

5歩目が砂場への着地となるようスタート位置を調整
20mホッピング

片脚での連続跳躍で20mに要した歩数を計測

左右で良い方の記録を採用
メディシンボール投げ

男子4kg、女子3kg

投げた後は線を超えても可
クイックジャンプ

前後、左右の2種類を実施

地面に書かれた線を10秒間で跳び越えた回数を計測

平均値及び標準偏差を用いて10段階の階級に区分した結果、次のような得点表になっています。

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結果

短距離・跳躍群の特徴として、30m走や20mホッピング、立幅跳及び立五段跳のスコアが高い傾向が出ました。

基準となる層(全日中出場相当)が5点、エリート層(全日中入賞相当)は6点。エリート群の数値が綺麗に上位互換のように出ているのは面白いですね。

 

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実施種目の中ではクイックジャンプに有意差が出なかったようなので、コントロールとして有用性の有無がわからない感じですね。エリート競技者の中でも更にトップ層は各種目とも高いスコアが出ていますが、クイックジャンプの得点はばらつきがあります。

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群間の比較データがありますが、測定慣れをしていない競技者がいた影響からか、若干平均値が低い気がします。例えば立五段でいえば13m前後で11秒台に入るくらいですので、少なくとも11秒台前半を出せる競技者であれば、測定慣れすればもう少し良い数値が出ます。

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まとめ

・中学生の全国大会入賞ラインは基準表の6点が目標

(30m3"6、立幅跳2m60弱、立五段跳13m弱…etc)

・測定慣れした競技者はもう少し高い数値が必要

測定慣れをしていない状態でも6点相当の記録が出せる、というのがポイントかと思います。

また、この基準を成人競技者が転用する場合は注意が必要でしょう。筋力を要する種目は、体格が完成している成人競技者の方がスコアは高めに出る傾向があると思われます。成人競技者が全日中標準の11秒20相当を目標とする場合、私見ですが基準表の8点あたりがターゲットになると思われます。

あくまでコントロールテストは参考値です。数値は上がっているのに肝心の競技成績が上がらない、ということのないよう気をつけたいですね。

 

今回はここまで。