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流行を追う前に「そもそも良いデザインとは何か」から考えることも必要では?

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プロフィールシートや掲示物、行事の告知。日々の生活や仕事の中で、誰もが大なり小なり何かを「デザイン」する機会があると思います。

何気なく使っている言葉ですが、そもそも「デザイン」とは一体何なのでしょうか。先日、情報大学の先生からお話を伺う機会がありましたので、今回は備忘録を兼ねた「デザイン」の話題です。

概要

「デザイン」と聞くと、モノの造形や色彩を思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、デザインは造形物だけでなく「計画」や「事業」にも当てはまる言葉です。

したがって、デザインは「モノ」「コト」両方に係る設計や計画であるといえます。講義内では「モノ・コトをより良くするための設計・計画」と定義づけられていました。

このように本来の「デザイン」は広い範囲の言葉なのですが、今回はその中でも情報伝達の「デザイン」について思考を整理してみたいと思います。 

良いデザインとは?

良いデザインは「想定した人に意図した情報が素早く届く」そうです。見やすい、目を惹く、お洒落…個々人で「良い」の基準があると思いますが、これらはあくまで付加価値ということですね。

例えばプロフィールシートひとつをとっても、この点を意識するとしないのとでは違いが出てきます。

例1

私の名前は田中太郎です。1970年1月1日に生まれ、現在50歳です。星座は山羊座、血液型はA型です。出身は北海道で、大学進学を機に青森県に移り住みました。専門は臨床心理学で、現在はカウンセラーとして勤務しています。趣味は登山で、週末は遠出して山に登ることも多いです。

ちょっと極端ですが、改行もせずプロフィールを羅列すると上の例のようになります。「名前」「誕生日」など、意図して伝えたい要素を抽出し整理すると次のようになります。

例2

田中太郎

誕生日 1970年1月1日(50歳)

血液型 A型

星 座 山羊座

出 身 北海道→◯◯大進学を機に青森県に移住 現在に至る

専 門 臨床心理学

趣 味 登山

洗練されているかはさておき、例1よりも情報の散らかり感が少なく、頭にスッと入りやすくなったのではないでしょうか。

良いデザインの作り方とは

イベントなどのフライヤーを作る際、考えなしに作業に取り掛かると「必要な情報は全部載っているけれど野暮ったい」成果物が出来上がりがちです。いわゆる「お役所のイベント告知チラシ」はその際たる例でしょう。アレもコレも重要な情報として掲載した結果、何だか画一的になってしまうという現象が起こります。

そのような事態を防ぐには、どのような作業が必要なのでしょうか。講義では次の順番が推奨されていました。 

目的を考える

・ターゲットを明確にする

・伝える内容、優先順位を考える

・配置する

・目を引く要素を作る

まず「このデザインで達成したい目的」を明確にします。集客、周知、webへの誘導…この部分がボヤけていると、後の作業にブレが出てきます。

次に「届けたい相手(ターゲット)」を明確にします。年齢や性別、居住地、趣味嗜好を加味した上で、発信する媒体を含めて考えていきます。伝える内容については「重要でないものを目立たせないようにする」ことが肝要です。「目的」「届けたい相手」の設定を基に優先順位を考えていきます。

次の段階「配置」「相手に話しかけるイメージ」で順番などを設定すると良いそうです。どんな順番で話すと興味を持ってくれるのか、考えながら情報を配置していきます。

「目を引く要素」はトッピングの部分です。ビビットなカラーや奇抜な画像などトレンドが反映される部分ですが、作業としては最後の段階になります。

まとめ 

「想定した人に意図した情報が素早く届く」のが良いデザイン

・内容は目的やターゲットを明確にした後に取り掛かる

受け手は基本「興味がない、読まない、飽きる」ものです。かといって「目を引く要素」だけに注力すると、意味が良くわからない癖に目立つ不快な広告が出来上がったりします。

何かと「センス」で片付けられがちなデザインですが、必要最低限のレベルはロジカルに詰めていけるのではないでしょうか。

 

今回はここまで。