向かい風参考記録

陸上競技 その他 いろいろ

手法ではなく「なぜ」から思考する癖を学生のうちに身に付けたかったという話

f:id:Wetland:20200115003312j:plain

今週のお題は「二十歳」です。

当時の自分に一言伝えるなら「手法から入る癖を直せ」に尽きます。学生の研究も仕事の事業立ち上げも「手法」から入り「なぜ」を後付けするルーティーンが確立してしまい、今なお矯正に苦労しています。

今回はサイモン・シネック氏の提唱した有名な理論「ゴールデン・サークル」についての話題です。

概要

「ゴールデン・サークル理論」は、サイモン・シネック 氏が2009年にTEDカンファレンス内の講義「How Great Leaders Inspire Action(優れたリーダーはどのように行動を促すのか)」にて提唱したものです。

人に何かしらの情報を伝え、行動を促したいときには「Why・How・What」の構成要素のうち「Why」から始めることが重要であるといった理論です。

f:id:Wetland:20200115005631p:plain

多くの人は「What」から入る

講義の中で、多くの人が陥りがちなパターンについて言及があります。

世の中の誰にせよ、どの組織にせよ、自分たちが何をしているか(What)はわかっています。100%誰でも。

どうやるか(How)をわかっている人もいます。それは差別化する価値提案とか、固有プロセスとか、独自のセールスポイントと呼ばれるかもしれません。

でも「なぜやっているのか(Why)」がわかっている人や組織は、 非常に少ないのです。

また、このようにも続けています。 

実際のところ私達が考え、行動し、伝えるやり方は 外から中へです。 それはそうでしょう。 明確なものから曖昧なものへ向かうのです。

f:id:Wetland:20200115010516p:plain

このように、多くの人は円の外から中に向かいます。しかし、人は「何を」ではなく「なぜ」に動かされるものといいます。これに成功した例としてAppleのマーケティングが紹介されています。

f:id:Wetland:20200115012808p:plain

アップルならこんな風に伝えます。

「我々のすることはすべて、世界を変えるという信念で行っています(Why)」

「違う考え方に価値があると信じています。私たちが世界を変える手段は、美しくデザインされ、簡単に使えて親しみやすい製品です(How)」

「こうして素晴らしいコンピュータができあがりました。(What)」

一つ欲しくなりませんか?

現代は「How」「What」供給過多

このゴールデン・サークル理論はマーケティングやセールスに留まらず、研究や情報発信にも同様のことが当てはまると考えられます。

「この統計手法ならイケそう」を出発点とした研究は「How」から入って「What」「Why」を後付けしていますので、手法にツッコミが入ったりポシャった時に「研究目的」という軸から構築し直す必要が出てきてしまいます。

情報発信のプラットフォームも「Twitter」「ブログ」「note」「YouTube」「instagram」と挙げればキリがありませんが、これらは全て「How」のツールです。とりあえずアカウントを開設してみたけれど長続きしない、更新ネタがすぐ尽きてしまう。

それは単なるモチベーションの問題ではなく「Why」がぼやけているからではないでしょうか。

f:id:Wetland:20200115013353p:plain

f:id:Wetland:20200115013355p:plain

ネットに転がっている手法、例えばブログのネタの探し方や効果的なレイアウト、動画の編集方法は「What」として役立ちます。しかし、これを出発点としてしまうと同様に「Why」がボヤけてしまいがちではないでしょうか。

更新が止まっているブログやYouTubeアカウントなどを見ますと、少なからずそんな匂いがします。

まとめ 

・物事は「Why」→「How」→「What」の順が大切

世の中の成功者の多くは「何でも良いからとにかく行動しよう」と言います。しかし、それは彼らに最初から「why」が備わっていたからではないでしょうか。

なまじ年齢を重ねると、小手先で「What」から「Why」を逆算して組み立てられるようになってきます。プラットフォームや手法論が供給過多の現代こそ、特に若い方には「Why」を大切にしてもらいたいと思う次第です。

 

今回はここまで。