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山頂に剣が刺さった不思議な山、霊峰・剣山をゆく

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どうも、森です。

ぼちぼち登山シーズンですね。今回はちょっと変わった山の話です。

 

日本には「剣山」という山が複数存在します。

ざっと確認できた限りでも10峰ほどありますが、中でも最も有名なのは徳島の剣山でしょう。こちらは日本百名山にも選出されています。

同名ではありますが、由来は少しずつ異なります。だいたいは山頂が鋭利で剣のように見えるだとか、刀剣に所縁があったりすることから「剣山」の名前が付いたようです。

今回はその中でも実際に山頂に剣が刺さっている、ちょっと変わった「剣山」の話です。

概要

剣山は、北海道の上川郡清水町に位置します。

標高1,205m。麓の「剣山神社」が四国・剣神社の分霊を祀っているようなので、名前の由来は徳島の「剣山」と同じなのかもしれません。

(そもそも徳島の剣山の由来が諸説ありますので断言はできませんが)

山頂に刺さった剣といい、信仰と修験の山なのは間違いないでしょう。

アクセス

麓の「剣山神社」境内から登山道が伸びています。

駐車場も隣接していますので、登山道まで歩く距離はほぼありません。

 

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▲位置的にはわかりやすい 

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▲夏の探訪時はスズメバチがムチャクチャ多かった

何と神社には宿泊可能な小屋も隣接しています。遠方からの活動拠点としては良さそうです。 

この付近は八大龍王大自然愛信教団、天地正教といった北海道内に本部を構える宗教法人の施設が点在しています。

ちょっと宗教色の強い一帯であることには間違いありませんが、それだけこの剣山が信仰の山ということなのでしょう。普通に登山をする分には全く問題ありません。

剣山を登る

境内を進んでいくと、すぐに登山口です。登山届用のポストもあります。

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▲案内板はサビサビながら、なかなか整備が行き届いている

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▲熊出没、マジで注意

ぶっちゃけ日高山脈に連なる山一帯が熊の生息域といっていいので、当然ここもヒグマの生息域です。

しかも剣山は久山川といった水場にも隣接しています。もはや熊に出没するなという方が無理なくらい条件が整っています。

北海道内でのヒグマ被害での死亡者数は年間0〜1人程度ですが、用心には越したことはありません。必ず音の出るものを携帯しておきましょう。

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▲序盤の地形自体はなだらか

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▲道自体も整備されている

「一の森」までは比較的鬱蒼とした森の中での登りが続きます。

途中には石仏もあったり、信仰と修験の山であることを感じさせます。というか入り口は「剣山神社」なのに仏様オッケーなんですね。

その辺りの大らかな感じは何とも北海道らしいというか。

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▲特に説明書きとかは無いっぽい。仏様とは元々そういうものなのかもしれない

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▲途中は多少トリッキーな所も

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▲岩も多少出てくる

 

いざ山頂へ

山頂付近になると、地形がやや急峻になってきます。

地元では有名な「梯子登り」箇所がラストのチェックポイントでしょう。

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▲この梯子、ちょっと遊びがあって揺れる

地元の山岳会の方々によって保守されているようなので余程の事がない限りは大丈夫かと思いますが、まぁ怖いものは怖いですよね。

頂上は剣山の名に恥じぬ、尖った岩場です。というか、この時は結構ガスっていて危なかったので岩場の全景写真がありません…申し訳ありません。

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▲ちょっと荒涼とした岩場

あまり休憩できるスペースもありません。

この時は先客の老夫婦がフラットなスペースで食事中だったので、仕方なく岩場に斜めにもたれながら休憩を取ることに。

何もない岩場のはずなのに何故かハエがむちゃくちゃ多かったです。何で。

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▲見事にガス

本来であればここから日高山脈や十勝平野が一望できるはずなのですが、この時はこんな感じで限りなく残念な風景でした。

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▲ガス2

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▲ガス3

噂の剣も確かに刺さっているのを確認しました。

写真ではちょっと伝わりにくいですが、思ったより小さいです。

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▲確かに剣が刺さっていた

信仰と修験を感じる山

修験の山ではありますが、健脚であれば1時間半くらいで登り切ることもできそうです。健康増進にもすごくいい塩梅の感じです。

整備された登山道や石仏からは、人々の信仰や営みを感じることができます。

そこそこ登る方も多い山なので、尋常な時間帯に登ればヒグマとガチンコする可能性は低いでしょう。

迷うような道もありませんので、初めて登山される方にもオススメです。

 

今回はここまで。