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北海道建設新聞のコラム記事が業界紙らしからぬ面白さなのでご紹介する

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どうも、森です。

今回はちょっとマイナーな新聞の話です。

 

突然ですが、皆さんは「北海道建設新聞」 というものをご存じでしょうか。

1958年創刊、北海道建設新聞社から発行されている日刊の業界紙です。

名前のとおり、主に北海道の建設・建築・土木関係の話題を取り扱っています。

 

特徴として、まず他の北海道メディアとはちょっと違う視点の記事が多いという点が挙げられます。

例えば北海道新聞は論調として左寄りと言われていますが、北海道建設新聞は業界紙ということもあり、いくらかフラットです。

さらに、業界紙としては広い話題を扱うので単純に読み物として面白いです。

特にコラムはその色が強く出ているので、今回は「透視図」「おとなの養生訓」をご紹介します。

「透視図」

主に時事ネタについて斬るコーナーです。

日刊紙ということで600字ほどの内容ですが、寓話や諺を交えており、毎回リズム良く締められています。

冒頭部に豆知識的なイントロダクションが入ることが多く、プロの引き出しの多さに毎度感心しきりです。

若いころから勇猛で鳴らし、徳川四天王として徳川幕府の開府にも大きな役割を果たした戦国武将に井伊直政がいる。赤い軍装で身ごしらえした「井伊の赤備え」と呼ばれる一隊を率い、敵からは「赤鬼」と恐れられていたという

▼戦では通常、大将は自陣奥深くに控えて采配を振るものだが、直政は違ったそうだ。自らが先頭に立ち、長やりを縦横に振り回して敵陣を崩す「突き掛かり」を得意としていたのである。大将が身の危険も顧みず率先して活路を切り開いていく。配下の者たちの士気が上がらないわけがない。

いつの時代も人は自ら範を示すリーダーを好む。どうやらこちらの新しいリーダーも先頭に立って戦う覚悟を固めているようだ。鈴木直道知事のことである

(後略) 

2019年06月12日「知事給与削減」 より引用

コラム「透視図」は毎日更新で、webからも無料で見られるようになっています。

日本人は1分間に400〜600文字ほど目読できるそうですので、1記事あたり1分半から2分ほどあれば読むことができます。

「おとなの養生訓」

札幌医科大学教授の當瀬 規嗣(とうせ のりつぐ) 先生の連載です。

「養生訓(ようじょうくん)」とは儒学者・貝原益軒によって書かれた、養生(健康、健康法)についての指南書から来ています。

當瀬 先生はここ以外でもコラムを寄稿されていますが、医大教授らしからぬユーモアのある記事を書かれます。

単に取り扱う題材にユーモアがあるだけでなく、平易かつ親しみやすい文体で表現も非常にわかりやすいです。

例えば最新のコラムは1記事にわたってチャーハンを熱心にオススメする内容です。 

お昼のメニューの定番として、中華屋さんでラーメンか、餃子定食か、チャーハンか、と迷うことがよくあります。こんなとき、チャーハンをお勧めしたいのです。

もちろん、ラーメンだけで済まされるのであれば問題はありません。かといって、ラーメンだけでは腹持ちしないから、とお考えの方も多いのです。ラーメンにライスや餃子を付けてしまうと、これはもう食べ過ぎといえる状態です。

(中略) 

太りたくなければ、白飯よりチャーハンを選べ、という訳です。しかしながら、ご飯の代わりとしてラーメンや餃子にチャーハンを合わせるのは、やはりオーバーカロリーです。半チャーハン(半量のチャーハン)でも、多めになることは覚悟してください。

いろいろ具だくさんのチャーハンもありますが、チャーハンだけでは、という人には、野菜炒めやレバニラあたりを一緒に注文してはどうでしょう。この二つのメニューは糖分が非常に少ないので、チャーハンと合わせても、意外と糖分摂取が抑えられるのです。

脂っこいので、体重を気にする人に敬遠されがちのチャーハンですが、意外とすぐれものなのです。

2019年06月14日 おとなの養生訓第161回「チャーハン」血糖の上昇を緩やかに より引用

文章構成自体は奇をてらったものではなく、ベーシックなプレップ(PREP)法に則っています。 

  • P POINT=結論を述べる
  • R REASON  =その理由を示す
  • E EXAMPLE  =事例、シーンを語る
  • P POINT =最初の結論でしめる

親しみやすい話題ながらもインテリジェンスを感じるのは、構成に破綻がないからでしょう。

他にもラーメンのスープは控えようという主旨の記事があったり、実生活に密着した「養生訓」が連載されています。

まとめ

以上、最近文章の勉強で参考にさせていただいているコラムのご紹介でした。

近年は衰退しつつある「新聞」というメディアですが、字数や表現の制約の中で内容を破綻させないようにまとめる手法からは学ぶ点が多いです。

記事が冗長化しがちな当ブログですが、できる範囲からコンパクト化していきたいものです。

 

今回はここまで。