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「世界一あきらめの悪い男」アーチェリー選手・山本 博 先生から学ぶ競技観、人生観

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どうも、森です。

今回は他競技の選手の話を少々。

 

有名人と実際にお会いすると、テレビでの印象と違ってビックリしたことはありませんか?

私にとってはアーチェリー選手の山本 博 先生がその一人です。

山本 先生は21歳で初出場した1984年ロサンゼルス五輪で銅メダルを獲得、2004年アテネ五輪では41歳で銀メダルに輝き、「中年の星」と呼ばれました。

現在56歳にしてなお現役。テレビで見て何となく「気のいいおじさん」といった印象がありましたが、実際はかなりクレバーな方でした。

書類を整理していたら数年前の山本 先生の講演会でとったメモが出てきましたので、今回はそれをご紹介させていただきます。

現在の日本のスポーツ界について

現在、東京オリンピックに向けて大きな資金が動いている状態。今まで財政的に厳しかった競技団体もマトモに強化費を得ることができている。

一方で、使い途に難儀しているところもある。

 

国内のスポーツ全体の状況としては、日本のスポーツ実施率は低く、週1回でも運動している人が全体の半数もいない。

オリンピックに向けての取り組みも大事だが、冷静な視点でオリンピックが終わった後のことを考えるのが大事だと思う。

現在の学生の傾向や教育について

日体大の学生は、入学時9割くらいは教員を志望している。しかし、現在は教員採用試験の倍率も高く、筆記試験の難易度も高い。

3年後、教員志望者は2割くらいになっている。

目標と自分との間に差があるとき ①自分を変える ②目標を変える の2つのアプローチがある。

自分を変えるということは本当に大変なので、多くの学生は後者を選ぶ。それが幸福なことかはわからない。

 

日本の教育では文武両道が尊いことと言われているが、現在の制度は文武分業だと思う。

日体大はオリピック出場者やメダリストを多く輩出しているが、東大のオリンピック出場者は自分が知る限り確か4名。一方、日体大卒業者で官僚として省庁に勤務している人がいるかというと、ちょっと思いつかない。

外国では、例えばハーバード大学はオリンピック出場者を200名以上輩出している。

このあたりのバランス感覚が日本の教育には欠けていると感じている。

オリンピックに向けての取り組み・競技観について

普通の人は、興味はあっても実際に行動に移す人は半数もいない。

私の場合、興味があることはその日のうちにやってみたり、調べてみないと気が済まない性分。アーチェリーもその興味のうちのひとつであった。

オリンピック選手に共通する素養として感じることは、興味に対する実行力が半端ではないということ。

 

長く競技を続けているが、それは自分自身がまだまだ向上できるビジョンがあるからである。

選手は次の世界選手権、オリンピックで勝つビジョン、自身が向上できるビジョンが描けなくなったときに引退する。

向上できるビジョンがあるのは、アイデアが尽きないからである。アイデアが溢れているときは練習のときの時計の進みが早い。

 

「金メダルを獲ろう」ということを最大目標にしてしまうと、本当に視野が狭くなってしまい、国内でも全く勝てなくなってしまった時期がある。

アイデアを出し続けるには、有限なものを最大目標にしないことが大事だと思う。

今後も東京オリンピック出場を目指し競技を継続したい。

まとめ

実際にはもう少し色々お話し頂いたのですが、かなり要約させて頂きました。

「長く現役を続けているスポーツ選手」というと、何となく柔和で「力を維持」するような目標を立てていると思われがちです。

しかし、実際には情熱とアイデア、ビジョンをもって競技に臨んでいることがヒシヒシと伝わってきました。

長期的に大きな目標を達成したいときは山本 先生のような「根拠ある情熱」が必要なのかもしれませんね。

 

今回はここまで。