向かい風参考記録

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思い立って行動する人、それを継続する人の割合は思ったよりずっと少ないと思う

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どうも、森です。

今回はちょっと備忘録的な内容になります。

 

成功者のアドバイスに共通しているキーワードのひとつ「行動」。

「拙くとも良いから行動してみよう」というのは、それこそ大昔から言われてきたことです。

かの兼好法師も700年くらい前に「最初は下手でいいじゃん」と書き記しています。以下有名な「徒然草」第百五十段の引用です。

能をつかんとする人、「よくせざらんほどは、なまじひに人に知られじ。うちうちよく習ひ得てさし出でたらんこそ、いと心にくからめ」と常に言ふめれど、かく言ふ人、一芸も習ひ得ることなし。

いまだ堅固(けんご)かたほなるより、上手の中にまじりて、毀(そし)り笑はるるにも恥ぢず、つれなく過ぎて嗜む人、天性その骨(こつ)なけれども、道になづまず、みだりにせずして年を送れば、堪能(かんのう)の嗜まざるよりは、終(つい)に上手の位にいたり、徳たけ、人に許されて、双(ならび)なき名を得る事なり。

天下のものの上手といへども、始めは不堪(ふかん)の聞えもあり、無下の瑕瑾(かきん)もありき。されども、その人、道の掟正しく、これを重くして放埓(ほうらつ)せざれば、世の博士にて、万人(ばんにん)の師となる事、諸道かはるべからず。

 

【口語訳】 

芸能を身につけようとする人は、「うまくないうちは、うかつに人に知られないようにしよう。内々でよく練習して上手くなってから人前に出たら、たいそう奥ゆかしいだろう」と常に言うようだが、このように言う人は、一芸も身に付くことは無い。

いまだ全く不完全なころから、上手い人の中に交じって、けなされ笑われるにも恥じず、平然と押し通して稽古する人が、天性の才能は無くても、その道に停滞せず、いい加減にしないで年を送れば、才能があっても稽古をしない者よりは、最終的には名人の境地に到り、長所も伸び、人に認められて、ならびなき名を得る事である。

天下のものの上手といっても、始めはヘタクソの評判もあり、ひどい欠点もあった。しかし、その人がその道の規則・規律を正しく、これを大切にしていい加減にしなかったので、いつしか世間から認められる権威となって、万人の師となる事は、どんな道でも変わるはずはない。

「徒然草」第百五十段 より引用

短めの文章ですが「行動」「継続」の大切さがよくわかります。

日本三大随筆のひとつとして有名な徒然草ですが、随筆は現代で言えば「エッセイ」「コラム」を足して割ったようなジャンルの文章。

ブログやnoteに書き込むような要領でこんな佳い文章を書いてしまうとは、凄すぎますね。

だからこそ700年も後の時代に残っているともいえますが、兼好法師にも知られざる下積み時代があったのでしょうか。

行動する人の割合

ざっと検索した限りでは「行動に移す人は20〜25%」と主張している方が多くみられますが、実際「物事を行動に移す(実践する)人」の割合というのは前提条件によるところが大きいと思われます。

例えば「毎日正午にツイッターで何か呟かないとスナイパーライフルで狙撃される」ような状況であれば物事の実行率・継続率はかなり高くなるでしょうし

「毎日正午にツイッターで何か呟かないと地球の裏側で誰かが骨折する」程度では更新をサボる日が出てくると思います。

「実行のためのハードルが低く」「重要度が高い」と考えられる国政選挙の投票率はどうでしょうか。多くの人が潜在的に「投票に行かなくては」と思っているはずですが、それでも実際の投票率は50%くらいです。

国政選挙の年代別投票率は、平成29年10月に行われた第48回衆議院議員総選挙では、10歳代が40.49%、20歳代が33.85%、30歳代が44.75%となっています。(全年代を通じた投票率は53.68%)

また、平成28年7月に行われた第24回参議院議員通常選挙では、10歳代が46.78%、20歳代が35.60%、30歳代が44.24%となっています。(全年代を通じた投票率は54.70%)

総務省|国政選挙の年代別投票率の推移について より引用

継続する人の割合

ダイエット、資格の勉強、趣味…「継続」要素のある物事は世の中に数多く存在します。

どのくらいの期間をもってして「継続」かは断言し難いところがありますが、これもザッと調べたところ「1〜5%」との主張が多く見られました。

「継続のハードルが低い」と考えられるブログでさえ、1年経てば70%の人は辞めてしまっているそうです。

10年ほど前に総務省の情報通信政策研究が使っていた更新継続率モデルがまさにその通りでした。

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総務省情報通信政策研究「ブログの実態に関する調査研究」 より引用

まとめ

単純計算で「ブログを始めたい」と思った100人のうち半分がブログを開設したとして、1年後は15人、3年後は1人か2人まで絞られることになります。

「夢中でやっていたら、いつのまにかトップになっていた」という人がいますが「継続できる物事と出会う」ことさえできれば、物事の上位5%に入るのは案外難しいことではないのかもしれません。

 

今回はここまで。