向かい風参考記録

北国在住。陸上競技、その他 いろいろ。

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雪上(雪道)を走ることで本当に体幹が鍛えられるのか…好き勝手書く

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【caution!】

本稿は私見が入った記事です。

どうも、森です。今回はちょっと雪国特有の話です。

皆さんは、冬期間のトレーニングで雪道を走ることはありますか。雪のある地方では「やむなく」雪上走を行うことも多いと思います。

走ったことのある方ならわかりますが、雪上を走る感覚は通常の平地とは違います。

そこで今回は、雪上を走るメリットについて私見を交えて好き勝手書いてみたいと思います。

雪上走アレコレ 

まずは、ざっと前提条件など書いていきます。

前提条件

「雪の上を走る」定義ですが、今回は比較的低速の「ランニング」を対象にしたいと思います。

「的確に乗り込み・接地ができれば氷の上でもスプリント動作はできる」という話もありますが、ちょっと今回の本筋から逸れます。それはまたの機会に。

個人的に聞いた話など

中学の冬期は週1回、雪道1時間のロングジョグがありました。

そのとき、当時の顧問の先生からは以下のとおり説明を受けました。

  • 不整地を走ることになるので、足首周りや下腿が自然に鍛えられる
  • バランスを取りながら走るため、体幹トレーニング的な効果がある

また、大学の時の先生は下記のように考察していました。

  • 雪上走はクロスカントリー的な効果があると考えられる
  • 平地と状況が違うため、多用するとフォームが崩れるかもしれない

どちらの先生も、学生時代は長距離専門でした。特に大学の先生はインターハイ優勝・箱根駅伝にも出場した選手でしたので、本人の感覚的な部分も入った話だと思います。

特に1点目については似通った話であり、ネットで検索しても似たような話を見つけることができました。 

「雪道」を走るとひとことで言っても、凍っている雪道、踏まれて固まってはいてもデコボコしている雪道、積もっている雪道、そしてその雪のせいでアップダウンが見えにくくなっている道などいろんな雪道があります。

その中をランニングするには自然とバランスが必要となり、常にインナーマッスルを鍛えることにつながります。

結果、特別な体幹トレーニングをしなくても雪の上を走るだけで体幹アップが期待できるということです。

spot+ より引用

もちろん体幹そのものの筋力をアップさせるのであれば、体幹トレーニングを行うべきでしょう。

ただ、副次的な効果として「バランストレーニング」的な効果が期待できる可能性は高そうです。

個人的な感覚

個人的な感覚としてはこのような感じです。

  • 距離を踏んでも疲れにくい
  • 後ろへ蹴る動きが抑制される
  • 足底への負担が少ない

夏場の4〜5kmと比べ、雪道の5kmはあっという間に感じます。気温での消耗が少ないせいでしょうか。

また、蹴り込むような動きをすると滑ってしまいますので、無駄な蹴り込みが自然と矯正されていく感じがあります。

雪上走を取り扱った研究

実は「雪上を走る」ことについての研究はかなり少ないです。

なぜ、研究が少ないのか

これについてハッキリした原因はわかりませんが、手続き上の問題が大きいのではないかと考えています。

  • 雪上走の定義づけが難しい
  • 条件の統一が難しい
  • 測定が難しい

「雪上走」とはいっても、雪の深さや雪の硬さ(含まれる水分)ひとつで計測の結果が変わってくるでしょうし、冬期は気温もかなりブレがあります。

測定ひとつとっても、屋外なら最低でも広くて平坦なグラウンドが必要です。

トレーニング効果がもっとフューチャーされれば、雪上走に対してもポジティブに取り組む選手が増えるかもしれません。

実際の研究1

「雪上路面と通常路面における陸上競技長距離選手のランニング時の生理学的特性と運動学的特性の比較」を確認していきます。

実験条件

本研究では北海道内の大学陸上競技部に所属し,長距離種目を専門とし日常的にトレーニングに取り組んでいる部員7名を対象とした.

被験者の競技レベル的には、5000m15分35秒〜18分台とばらつきがあったようです。 路面状況については「氷板」。語感からすると固そうですね。

測定は雪上路面条件を1月・2月・3月,通常路面条件を3月・4月に実施した.

呼気ガス動態、走速度、筋電図をとって分析を行ったとのことです。

実験結果・考察

走速度が雪上走で落ちるのは当然として、ランニングエコノミーに差はなく、筋活動に至っては雪上走で全体的に抑制傾向がみられました。

 

f:id:Wetland:20190205010138p:plain

この研究を行った方も「低摩擦路面ではバランスを取るための筋活動が活性化する」という研究を取っ掛かりにしており、このように脊柱起立筋や腹直筋の活動量が雪上走で抑制傾向になることは意外だったようです。

考察の最後の文からもショックさが伝わってきます。

以上のことから,雪上路面ランニングのランニングエコノミーは通常路面ランニングと比較して有意差はないものの,筋の活動量が抑制されていたことから走行速度が向上しないことが推察された.

従って,長距離走のパフォーマンス向上に直接的な改善をもたらさないと考えられる.

まとめ

  • 雪上走は体にかかる負荷は少ないと考えられる
  • 体幹が直接鍛えられるような効果は薄いのかもしれない

筋活動が抑制傾向という結果でしたので、負荷をかけずに距離を踏むには良いのかもしれません。

しかし、今回ご紹介した論文では接地時間が通常路面とさほど変わりないことがわかっています。状況としては圧雪〜氷面に近い状態だった可能性もあるわけです。

よりフワッとした路面や、凹凸のあるハードな状況になってくると体幹への刺激も変わってくるのかもしれません。

 

今回はここまで。

【参考リンク】

雪上路面と通常路面における陸上競技長距離選手のランニング時の生理学的特性と運動学的特性の比較

積雪面の歩行・ランニング強度