どうも、森です。
突然ですが、皆さんは「割れ窓理論」をご存知でしょうか。
有名な話ですのでご存知の方も多いでしょうが、今回はそんな話をします。
割れ窓理論とは…
割れ窓理論(われまどりろん、英: Broken Windows Theory)とは、軽微な犯罪も徹底的に取り締まることで、凶悪犯罪を含めた犯罪を抑止できるとする環境犯罪学上の理論。アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリングが考案した。「建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他の窓もまもなく全て壊される」との考え方からこの名がある。
wikipediaより引用
これは誰しもが体感したことがあるのではないでしょうか。落書きの多いところはポイ捨ても多いとか。とにかく、モラルの無い行動は連鎖しますよ…という理論です。
身近な実例を発見
なぜ、いきなりこんな話題を出すのか…と言いますと、町の公共掲示板でモロにこの実例を見てしまったからです。
公共掲示板について
どの町にもだいたいあると思うんですが、コチラの町にも公共掲示板というものがあります。イベントごとやらお知らせ・募集などを告知するわけです。
▲こういうやつ
町内に掲示板は10箇所以上ありますが、ルールとしてはこんな感じ。
・掲示物は発行した課の者が貼る
・掲示できる期限は原則3週間
・期限到来後は貼った者が剥がす
・掲示物の基本サイズはA4
・掲示板を所管する課は不定期?に巡回している
基本的に「自分で告知する情報は自分で責任を持て」ということですね。ちなみに「◯◯少年団」のような役場主導ではない告知は、主催団体から役場の担当課まで掲示を依頼→担当課の者が掲示、といった流れになります。
スポーツ関係のイベント告知であれば、役場のスポーツ振興の部署の者が掲示するわけです。
よく見かける光景
先日、私の課からも告知事項が出ましたので、掲示板を巡回して掲示物を貼っていくことになりました。
やはり、人目につき綺麗に整備されている掲示板は状態も比較的良く、掲示物が乱雑に貼られている掲示板は貼られ方ひとつとっても乱雑。
中でも一番腹の立つ光景がコレ。
▲皆さんの職場でも見かけませんか?
明らかに掲示物を「剥がしゃいいんだろ!」とばかりに剥がした跡。
たかだか自分が貼った掲示物を剥がせないという無能さ、後に使う人のことを一切考えない無遠慮さ。ここが現代のソドムとゴモラです。
かくいう私も何度も紙詰まりしたプリンターに腹を立て、力任せに用紙を引き抜いてプリンターを破壊しかけたりしましたので偉そうな事は言えません。
しかし、この掲示板問題には様々な事情が絡んでいるのではないかと思ったわけです。
掲示板がこうなる原因
掲示板がこうなる原因の90%は「貼った人がバカだから」です。これに尽きます。
画鋲を差し込む時、バカの一つ覚えのように掲示板と並行に刺すので抜けなくなります。
よくある金属製の画鋲を使う際、差し込み方はこうです。
▲こう微妙に斜めにするだけ。特に工夫も何も必要ない
微妙に写り込んでいますが、一個上の画鋲は掲示板と並行。おそらくバカが貼ったんだと思います。
もちろん、壁に画鋲で掲示物を貼る場合はこの方法ですと微妙に突起になります。ですから学校なんかでは敢えてこう貼らないよう指導されている所もあるでしょう。
ただ、ここは独立した掲示板。掲示板スレスレを歩く歩行者は存在しません。ここで画鋲を斜めにセットできるか否かで今後の環境が大きく変わってきます。
剥がす側の問題
原因の残り10%は「剥がす側の問題」でしょう。完全な憶測ですが、これは「貼った人」と「剥がす人」が別人だったときに起こりやすい問題ではないかと思います。
実はこの掲示板、全て回ると2時間くらいかかります。
例えば「貼った人」が何らかの都合で掲示物を撤去すべき日に動けず、代役に依頼が来たとしましょう。しかし1日の労働時間8時間のうち、2時間というのは決して小さくないロスです。代役としては「さっさと終わらせたい案件」なわけです。
でもって、いざ現場に着いてみると掲示物が剥がれない。まさかこんなバカな止め方をしているとも思っていないので画鋲抜きも持ってきていない。手持ちの小銭を噛ませようとしてもガッチリと刺さってしまっている…。
ここまで来ると、イライラが頂点に達しても不思議ではありません。「何でこんなことの尻拭いをせにゃならんのだ」とばかりに掲示物をエイヤ!と力一杯引っ張ります。
以上は完全な憶測ですが、当たらずとも遠からずといったところでしょう。
新たに貼る側の問題
今回、私は掲示物を貼る側としてこの惨状を目の当たりにしました。掲示物を貼りにきただけですので、画鋲抜きは持っていません。
もちろん、掲示板が掲示期限切れのもので一杯になっているケースもあります。そんな時は幾つか期限切れのものを除き、そのスペースに新たな掲示物を貼っていくことになります。
その時、やはり数個は手強い画鋲が存在します。今回は何とか全部取ることができましたが、並行に刺さった画鋲を素手で抜くのは至難。力任せに掲示物を引っ張ることで、新たな惨状が生み出されるわけです。
不定期巡回が機能していない?
貼り出した掲示物は、期限到来後に貼った者が撤去することになっています。
しかし、悪気がなくともウッカリ期限を超過してしまったりというのはあります。今回見た中でも剥がし忘れがかなりありました。
こうなってくると、もはや掲示板を管理している課の定期巡回は機能していないのでしょう。また、掲示物もいつ剥がして良いのか判断しづらいものも多くありました。
解決策は…
こうした状態の解決策は大きく「管理者が能動的に動く」「責任の所在を明確にする」の2つです。
「管理者が能動的に動く」
ここで言えば、掲示板を管理する課の巡回を「毎月◯日」と決めて定期化するだとか「今月は◯◯課と◯◯課が巡回当番」など当番制を敷くという方法があります。
これにより、毎月の巡回前には自分達の課の掲示物を大なり小なり気に掛けるようになり、ウッカリ剥がし忘れを防ぐ効果が期待されます。
ただし、この方法は組織全体に新たな負担を強いる方法です。導入は慎重になるでしょう。だって今まで真っ当に使っていた人たちがワリを食うわけですから。
「責任の所在を明確にする」
これは、やろうと思えばその日から制度化できます。方法は簡単で「掲示期限を明示する」「貼った人の名前を隅に記入する」の2点のみ。
これにより「期限切れの掲示物を放置している部署はどこか」「バカな掲示物の貼り方をしているのは誰か」が簡単に分かるようになります。
惜しむらくは「乱雑な剥がし方」をしている者が誰かを特定できないことでしょう。
結論
ルールというものは、どんなに優れたものであっても定期的に見直しをかけるべきでしょう。
「ルールを守るためのルール」などというとバカバカしく感じられるかもしれません。そもそもルールを最初から守れば良いだけの話なんですから。
しかし、今回ご紹介したようなケースがあるのならば、皆さんの職場やコミュニティでも「ルールを守るためのルール」が必要かもしれませんね。
今回はここまで。