どうも、森です。何かタイトル長いですね。
今日はみんな大好き、年休(有給)のお話を少しだけ書きます。
年休(有給)を取り巻く状況が変わってきた
今年の6月に、参院本会議で働き方改革関連法が可決・成立しました。
中でも多くの人の目を引いたのが「有給取得の義務化」でしょう。
どういったものか見てみると、どうやら次のような制度らしいです。
(前略)今般、労働基準法が改正され、平成31年4月より、使用者は、年10日以上の年次有給休暇が付与される全ての労働者に対し、毎年5日間について、時季を指定して年次有給休暇を与えることが必要となりました。
ただし、計画的付与制度などにより、労働者がすでに取得した年次有給休暇の日数分は、時季指定の必要がなくなります。
厚生労働省サイトより引用
国が出す文書は相変わらず句読点多いな
なるほど。確かにこの条件ですと、世の中のいわゆる労働者の多くが当てはまります。
よもや休暇取得という「権利」がこうして明文化されるとは。明らかに年休を取り巻く状況が変わってきています。
今までの厚労省の涙ぐましい活動
ちなみに厚労省、今まで年休取得奨励について何もしていなかったわけではありません。
ここで近年の厚労省の活動を振り返ってみましょう。
「仕事休もっ化計画」
厚労省のサイトで確認できる限り、平成26年度あたりから「仕事休もっ化計画」なるものを推進しているらしいことが確認できます。
では、この活動の変遷を振り返ってみましょう。
平成26年度
▲フレーズはいいこと言ってる
まずは平成26年度。
この頃は「年休20日のうち15日を計画的に組んで、残り5日を労働者の自由に取れるようにしてはどうか」みたいな啓発内容でした。
「計画的付与制度」というやつです。
平成27年度
翌年はフレーズが更にポジティブになります。
夏季休暇も、土日も。 「プラスワン休暇」で連続休暇に。 年次有給休暇を計画的に活用しよう。
▲またまたいいこと言ってる
「仕事と生活の調和(ワークバランス)」って読ませ方、とあるシリーズっぽいですね。
それはさておき、プラスワン休暇なるものをここで推奨しています。
従来の休日に年休をプラスしていきましょうと。
ちなみにこのプラスワン休暇、厚労省も気に入ったフレーズなのか平成28年度まで一貫してプラスワン休暇推しになります。
▲圧倒的なプラスワン休暇推し
平成29年度
ちょっとフレーズが変わります。
仕事は計画を立てて行うもの。それでは休暇は?
▲爽やかな写真
と、このようにあの手この手で休暇取得を促進しています。
問題は、ここまで提案の内容や制度が殆ど変わっていないことくらいです。
ここまでの啓発活動の結果は
そう、ここに来て年休取得の義務化がニュースになっただけで厚労省はここまでも再三に渡って「年休を計画的にとりなさい」と言っていたんですよ。
では、現時点での啓発の成果はどうなんでしょう。丁度良さげなのがありましたので引用します。
厚生労働省が23日公表した2018年の就労条件総合調査によると、17年の年次有給休暇の取得率は51.1%だった。前年から1.7ポイント上昇。政府は20年までに取得率を70%にする目標を掲げるが、隔たりは大きい。
日本経済新聞より引用
ということで、取得率はジワ上がりしていますが目標値には遠いようです。
ちなみに取得日数的には9日程度が平均のようです。これも目標値には及んでいませんね。厳しい結果です。
制度改正で何が変わる
厚労省的には「さんざん言っても休暇取らんから義務化したぞコラ」って感じでしょう。
では、制度改正で何が変わってくるのでしょうか。
罰則が適用される
そもそも、年休付与は義務なんですけどね。
いわゆるこの「年休義務化」の条項は労働基準法に追加されましたので、これに反した場合は労働基準法違反となるわけです。
つまり、来年からは年休を取得させなかった場合、30万円以下の罰金が科されるということです。
罰金の額は企業から見れば大きくはないかもしれません。が、これも明文化されたことに意義があるのではないでしょうか。
公務員の働き方から変わっていく?
こういった取り組み、大企業は既に先進事例がたくさんあります。
中堅企業に波及させるには、まずは公的機関から率先して休暇取得を促進していくべきでしょう。「国もこう言っていることだし…」という大義名分もありますし。
私個人としては、最近なにかと話題になる「教員」の働き方もどんどん変わっていくと良いなぁと思っています。
10月は「年次有給休暇取得促進期間」なのでみんな休もう
今日、職場で回覧が来て知りましたが今月は「年次有給休暇取得促進期間」のようですね。
「そういえば今年は何日休んでたっけ」と思いシステムで確認すると6日しか消化していませんでした。
残り2ヶ月で34日ギッチリ残っている年休を消化するのは不可能と思われますが、せめて数日は消化したいと思います。
金額ベースで計算すると、繰り越しで年休を10日消滅させたら10万円以上の損失です。
皆さんも計画的に年休を消化していきましょう。
今回はここまで。