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モハメド・ファラーのマラソン適性がヤバすぎる件について好き勝手書く

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どうも、森です。

 

先日のシカゴ・マラソンは大迫選手の日本記録が話題になりましたね。

www.asahi.com

しかし、お気づきの方も多いはず。

1位は何を隠そう、昨年トラック競技から引退したはずのモハメド・ファラーでした。

 

モハメド・ファラーって何者?

わざわざ説明することか?という話ですが手短に書きます。

圧倒的な強さを誇った中長距離選手

モハメド・ファラー(英語: Mohammed "Mo" Farah,ソマリ語: Maxamed Faarax, アラビア語: محمد فرح、 CBE,1983年3月23日-)は、イギリスの陸上競技選手、専門は中長距離走。ソマリア出身。北京オリンピック男子5000mイギリス代表。2007年全英選手権5000mおよび2003、2005、2007年全英室内選手権3000m優勝者、ナイキ・オレゴン・プロジェクト所属。なお、名前の「Mo」(モー、モ)とは、Mohammedの短縮形、ニックネームのようなものである。

モハメド・ファラー - Wikipediaより引用

 モハメド・ファラーは2010年頃〜2017年まで5000m・10000mを主戦場とし、バッキバキに世界大会で勝ちまくった選手です。

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▲世界大会の戦績。勝ちすぎである。

勝ちすぎて妨害されるも完勝

ファラーの試合でも特に鮮烈だった試合の1つは、昨年2017年の世界選手権10000mでしょう。

ファラーはかねてよりこの世界選手権をもってトラック競技からの引退を示唆していました。

そうなると、他のトップ選手としてはファラーの勝ち逃げを是が非でも止めたい。

試合は序盤からケニア勢を中心にファラーを包囲、半ば妨害にも近い形で進みました。

が、何度も接触しよろめく場面がありながらも、蓋を開けてみれば完勝。

www.youtube.com

まさに「世界最強」を印象づけた試合でした。

マラソン転向を表明も…

2017年の世界選手権をもってトラック競技から退き、マラソンへの転向を表明しました。

モチベーション面に疑問があった

そもそも、ファラーがトラック引退を表明したのは「やり残したことが無くなったと思ったから」ではないでしょうか。

世界選手権前のインタビューを見ても、モチベーションの低下が何となく見て取れます。

五輪の陸上長距離男子2種目で連覇を達成している英国のモハメド・ファラー(Mohammed Farah)は27日、輝かしいキャリアを終える準備を整えているとし、2020年の東京五輪に出場する可能性は低いと語った。

(中略)

東京で走ることを楽しみにしているかと問われたファラーはAFPに対し、「走らないと思う」と応じた。

「先のこと過ぎる。家族が恋しいんだ。子どもたちはあっという間に大きくなっている。1年の半分はトレーニングに費やしているから、彼らの成長を見守れなくて寂しいんだ」

しかしながらファラーは世界陸上の後、マラソン界に本気で挑戦する決意を固めている。 「ロードレースで自分に達成できそうなことを、まだ成し遂げていないように感じている。

http://www.afpbb.com/articles/-/3129865

 このコメントでは、マラソン転向を本気で…といったフレーズが出ていますが、ファラーは現在35歳。

マラソンへの本格転向は遅すぎるくらいの部類でした。

マラソン転向への不安材料

適性の問題

前述した年齢もさることながら、トラックからマラソンへ転向する際には「適性」がひとつの壁といわれています。

トラック競技10000mに対しフルマラソンは42.195kmですから、求められる要素は違います。

「トラックでは芽が出なかったけれど、マラソンで開花」とは逆パターンもあり得るわけです。

モチベーションの問題

適性や調整もありますが、モチベーションの問題もあります。

ファラーは最後の世界選手権でも有終の美を飾りましたし、東京五輪に出場する可能性は低いと語っていました。

したがって、マラソン転向はするものの、そのままフェードアウトしていく…というパターンも考えられました。

少なすぎる前例

トラック競技で圧倒的な強さを誇った選手がそのままマラソンへ…というのはある種の黄金パターン。

ですが、これだけ長期間世界大会で連勝しまくり、このくらいの年齢からの転向というのは殆ど前例が無かったはずです。

5000m、10000mの世界記録保持者である「皇帝」ケネニサ・ベケレもマラソンへの本格参戦は31歳。

2018年シーズンは順応のための期間に充てられ、本格参戦は2019年以降と思われたのですが…。

ファラーと今後のマラソン界

蓋を開けてみれば、マラソン3戦目にして2時間5分11秒での優勝。

今後のマラソン界の台風の目になるのでしょうか。

ケニア勢を中心に進む高速化

下記はマラソンの世界10傑記録ですが、その殆どが近年のケニア勢によって叩き出されたことがわかります。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/マラソンより引用

ひと昔前のマラソンといえば、上位陣が何らかの原因で崩れてしまえば2時間10分前後の選手にも粘りでワンチャンスありました。

が、今はこの通り2時間3分台のバーゲンセール。

1人2人が脱落したところで先頭集団そのものがハイレベルですので、よりスピードが求められる環境になってくるでしょう。

ファラーのやり残したこととは

実は、ファラーはあれだけ世界大会で連勝しまくりながらも5000m、10000mともに世界歴代10傑に名前を連ねていません。

どちらかというと「強さ」が先行して目立ちました。

強いていうならば、やり残したことは「世界歴代記録に名を刻む」ことではないでしょうか。

マラソンの10傑タイムは今回の2時間5分11秒とはやや開きがあります。

シカゴ・マラソンも決して天気も良くなかったようですから、次戦では真価が問われるでしょう。

今後の活躍に期待

世界大会でトラックレースを引退し1年。

早くも転向後のマラソンで頭角を現したファラーですが、現在マラソン界は強豪がひしめき合っています。

短距離界は正直ボルト・ロスともいえる状態で記録の停滞が続きそうな感じもありますが、マラソンは今がまさに最盛期といえるでしょう。

高速化の中、果たしてサブ2達成者は出るのでしょうか。今後に期待です。

 

 

今日はここまで。