どうも、森です。
先日6日に行われました、
国民体育大会男子100mについて
少しだけ書きます。
レース全般について
レース全般について、ざっくり書いていきます。
稀にみる悪コンディション
とにかく稀にみる悪コンディションでした。
向かい風5.2mということで、まさに向かい風参考記録ともいうべき強風。
成年男子100mの決勝で11秒台が出てしまったのは久々ではないでしょうか。
山縣選手の強さがここでも光る
優勝候補筆頭として臨んだ試合だったと思いますが、山縣選手がキッチリ完勝。
強風に押し戻されているように見えない走りです。
タイム換算以上の価値
無風換算でいうと、今回のタイムは10秒16だそうです。
数字だけ見ると、10秒0台を連発してきた山縣選手にとっては平凡な記録に見えます。
しかしながら、映像を見るとかなり突風気味の向かい風のようです。
当然、一定の風が吹きつけるコンディションより記録は落ちるはずですので、他の選手の記録も含めて自己ベストとのタイム差を出してみましょう。
【今回のタイム/自己ベストタイム/タイム差 (名前は敬称略)】
1 山縣亮太 10"58/10"00/0.58秒
2 小池祐貴 10"71/10"17/0.54秒
3 九鬼巧 10"80/10"19/0.61秒
4 長田拓也 10"90/10"14/0.76秒
5 女部田祐 10"93/10"25/0.68秒
6 白石黄良々 10"97/10"36/0.61秒
7 永田駿斗 11"01/10"36/0.65秒
8 竹田一平 11"04/10"27/0.77秒
このようになりました。
その日の調子もありますし、向かい風に強い・弱い走りというのはあります。
しかし、どの選手も0.5秒から0.7秒程度は記録が落ちており、風速表示以上にコンディションが悪かったのではないでしょうか。
今シーズン10秒1をマークした小池選手と0.13差、日本インカレを10秒3で制した永田選手と0.43秒差ということを考慮しても、今回の山縣選手の記録の価値は少なくとも10秒0台相当ではないでしょうか。
レースパターンは今年を通して同じ
山縣選手といえばスタート、それも最初の2、3歩でリードを奪ってそのまま…というレースが多い印象ですが、今シーズンは100mをよりトータルで支配するレースパターンが多く見られました。
今回も同じく100mをトータルで走り切っています。このあたりの再現性は驚愕の一言です。
小池選手は安定した強さ
今シーズン通して好調の小池選手はここでも安定した強さで2位。
従来は腕振りで上半身が捻れ気味になる癖がありましたが、そのあたりがガッチリ修正されています。
勝負強く、両リレーこなせる選手ですので何としても代表に入ってほしい選手です。
この調子で来シーズンも期待です。
九鬼選手は復活の兆しか
3位に入った九鬼選手は山縣選手と同学年。
高校時代はインターハイを2、3年次に連覇するなど将来を嘱望された選手。
しかし、2013年に自己ベスト10秒19をマークして以降はかなり苦しい時期が続いていたようです。
今年は日本選手権で10秒44の8位でしたが、今回は長田選手・女部田選手ら有力選手に先着。
来シーズンは再飛躍・自己ベストを狙えるところまできているのではないでしょうか。
9秒台持ち越しも、来シーズンに期待
あいにくのコンディションで山縣選手の9秒台は持ち越しとなりました。
来シーズンは世界大会もありますので、どこまで各選手が記録を伸ばしてくるのか。
個人的には冬シーズンの室内大会に有力選手がエントリーしてくれないかな…と期待しています。
60mは朝原選手の6秒55が日本最高記録ですが、アジア大会を制した蘇 選手は6秒42。
6秒5フラットくらいが今、世界と伍して戦える標準くらいでしょうか。
うーん、速いですね。