1週間以上経過してしまいましたが書きます。
締まった感じのレースになりましたね。
永田駿斗選手の強さが光った
昨年の感じからいえば、関学の多田選手か中大の竹田選手かなという感じでしたが
優勝は永田駿斗選手。
記録的には10秒34と突出したものではないように見えますが、
向かい風1.4mということを考慮すると無風条件で10秒2台前半くらいの価値があるのではないでしょうか。
レースの展開的には前半にややリードを奪った後、力みが生じてしまいそうな横一線の局面でも 自分のリズムを保ったという印象です。
脚の軌道としては遊脚を前に前にと捌いているフォームに見えます。
かなりベーシックな練習を積み重ねて作っていったのではないでしょうか。
60mや150mではなく、100mをまさに過不足なく走りきったという印象です。
多田選手は惜敗
多田選手はやはり今季を通しての課題であったスタートから加速の不調に加え
アジア大会に出場したことによるコンディション調整に難義したのではないでしょうか。
アジア大会のリレー決勝から1週間少々。
8月初旬以降からは中々追い込む練習を入れるわけにもいかなかったでしょう。
中盤で立て直して主導権を取ろうとしている感じは見られましたが、予想以上に他の選手たちの動きも良かったのでしょう。
主導権を握ることができずレースが終わってしまいました。
追い切れなかった竹田選手・躍進の宮崎選手
見る限り、竹田選手は並ぶと固くなりがちな癖が出たというよりは
そもそも、あまり好調に見えませんでした。
(決勝で上位争いをしたわけですから際立って不調というわけでは無かったはずですが)
竹田選手は割と前半から先行したり中盤に大きく伸びたりと
レースパターンが固定されていない印象があります。
今回はそのあたりも裏目に出てしまった印象です。
平成28年の水戸招待のようなパターンが最良なのでしょう。
とはいえ、「相手は気にせず」とか「自分のリズムで」というのは思う以上に難しいことです。
歩いていて、同じくらいの速さの人が合流したときに微妙にリズムが狂ったり
買い物をしていると無意識に歩くリズムが店のBGMに合わさっていることは珍しくないはずです。
「自分に徹する」ことができたときどうなるのか、今後に期待です。
準優勝の宮崎選手は2年前の日本インカレ7位から大躍進。
東北ではかなりの有力選手でしたが、旧帝大の選手でここまでの上位とは大変素晴らしいです。
加速段階で頭をやや揺らしながら接地脚に乗り込んでいく独特なフォームです。
圧巻は中盤からの加速ですが
遊脚をかなり伸ばした状態で前に捌いています。
100mをかなり明確に区分けして走っているのではないでしょうか。
形だけ真似すると肉離れしそうなフォームですが、
これを破綻なくまとめています。
卒業後の進路も気になりますね。
果たして次は誰が来るのか…
今回6位入賞の宮本選手以外は5位までが最上級学年ですので
来年はメンバーがガラッと変わることになります。
上位候補の筆頭はやはり中高で日本一を経ている宮本選手ですが
果たしてどうなるのか、今から来年が楽しみです。