短距離のシューズ選びというのは半分フィーリングの世界です。私は軽量シューズを好んで履くことが多いのですが、今年から使っている『ソーティマジックLT2』が思った以上に良かったので、今回はこれをご紹介したいと思います。
概要
駅伝やロードレースで勝つための反発性と、スムーズでしなやかなライディングを両立させた本格的な競技用レーシングシューズ。
アウターソールのヒール部外側にクッション性に優れたAHARラバーを配置し、接地時の不快な硬さを軽減し、突き上げ感の少ないソフトな接地感を実現しています。またそのアウターソールを、軽量性に優れたミッドソール材FLYTEFOAMおよび中足部のトラスティックと同時成型することで、軽くなめらかなライディング感を追求しています。
その一方で、中足部のトラスティックが、キック時の不必要なねじれを抑え、着地から蹴り出しにかけてのムダの少ない推進をサポート。「地面を噛んで走る」優れたグリップ力を得られるデュオソールと合わせ、高いスピードを生む走りを生み出します。
トップランナーを満足させるポテンシャルと適度なしなやかさを備えたバランスのよさは、中学〜大学までの長距離ランナーに加え、女性ランナーの使用にも対応します。asics公式サイト より引用
『ソーティマジックLT2』はレーシングシューズという位置づけの製品です。よく比較対象となるソーティマジックRPは反発がウリで、こちらは軽量とクッション性を推しています。
カタログスペック
素材 インナーソール:合成樹脂
幅/ラスト STANDARD
アッパー素材 合成繊維・人工皮革
アウター素材 合成底・ゴム底
質量 約150g(26.5cm片方)
特筆すべきはやはり約150gという軽量さです。ミッドソールが厚めのシューズより100gほど軽く、むしろ短距離スパイクと並んで遜色ないレベルです。スパイクはフラッグシップモデルであっても130〜140g台ですから、ソーティマジックLT2はシューズとしてはかなり軽量の部類に入ります。
外観
▲最近のアシックスはデザインも良い
軽量なだけあって、アッパーは薄手のメッシュで必要部分だけ補強されています。ターサージャパンのように国産ではありませんが、全体的に丁寧な造りという印象です。
また、同じサイズ帯のシューズと比べると全体的なボリューム感が抑えられ、かなりコンパクトな印象があります。この辺りも軽量シューズならではといったところでしょう。
▲上がペガサス34。どちらも27cm
アウトソールに空けられた通気孔「マジックベンチレーション」も特徴的です。なんでもシューズ内の快適性を高めるのに一役買っているのだとか。
▲このように複数箇所穴が空けられている
特徴・使用感など
薄底ながら思ったほどの硬さや突き上げ感はなく、意外にもクッション性を感じました。クッション性はありながらもグニャグニャと沈み込むわけではなく、レスポンスも上々です。
ドロップは低めなので、誘導性はそこまで高くありません。シューズのしなりや反発も控えめなので、余計な味付けを感じません。
良い点・悪い点
走りを邪魔しない
足と地面との間の異物感がなく、とにかく走りやすいです。シャンクのしなりも控えめなので「走らされる」感じのシューズではないと思います。身体でしっかり乗っていかなくては、あまり跳ね返ってきてくれません。
耐久性はお察し
この辺りはレーシングシューズの宿命ですが、耐久性はそこまで高くないようです。特に前足部のグリップを担うデュオソールは削れやすいとの報告があります。接地してからシャカシャカ音を立てて走るタイプの選手とは相性が悪いと思います。
悪路・悪天候に向かない
マジックベンチレーションはただの通気孔なので、水溜りや泥を踏めば一発アウトです。意外にも雪の上はグリップ性が高く走りやすかったですが、シャーベット状の雪を踏むとアウトなので注意が必要です。
総評
短距離向けのランニングシューズは『ターサージール』が根強い人気ですが、ソーティマジックも思った以上に使い易いです。どうしてもマラソンの川内選手が履いているイメージが強いですが、短距離のトレーニングにも使えるレベルだと感じました。
薄底なので足の負担を考えて使う必要はありますが、軽量シューズが好きな方にはおすすめです。
今回はここまで。