最近部屋にあった物を大々的に整理しまして、10冊以上あった大小サイズのモレスキン手帳たちも2冊を除いて全て処分しました。
洗練されたデザインとストーリー性のある巧みなブランディングに定評のあるモレスキンですが、今回は実際の使い心地などを書いてみたいと思います。
概要
Moleskineは2世紀の間、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ、パブロ・ピカソ、アーネスト・ヘミングウェイ及びブルース・チャトウィンなどの芸術家や思想家に愛されてきた伝説的ノートブックの相続人であり継承者です。
丸い角を持つ黒のシンプルな長方形、ノートを束ねるゴムバンド、そして内側のマチ付きポケット: 無名だけれどもそれだけで完成された品は、小さなフランスの製本業者によって一世紀以上もの間作られ、世界中の革命的芸術家や作家が訪れて購入した、パリの文房具店に納品されていました。
旅のお供にぴったりな大きさの頼れる存在。このノートブックは、有名な絵画や人気小説が世に出る前の貴重なスケッチ、走り書き、ストーリーやアイデアを記録してきたのです。
モレスキン公式サイト より引用
これは、モレスキンのユーザーであれば一度は読んだことのあるストーリーです。偉人たちに愛用された「伝説のノートブック」の流れを汲んでいることをストーリーとして前面に打ち出しています。
実際にモレスキンが作っているのは断片的な情報から復刻させたレプリカなわけですが、何とも上手いブランディングですよね。
カタログスペック
基本的には「ポケット(9×14cm)」「ラージ(13×21)」「エクストララージ (19×25cm)」の3サイズ展開。ポケットサイズは上着の胸ポケットに入るサイズですが、使いやすいさ的にはラージが一番です。初めての一冊を買う場合は断然ラージをお勧めします。
ラージの厚さは約1.5cm、重さは約300g。ノートタイプのページ数は240あり、ページあたりの単価はだいたい12円前後になります。コスパの良い手帳ですと5〜6円/Pですから、モレスキンは手帳やノートのジャンルでは高級品といえるでしょう。
外観
非常にシンプルな見た目ながら、やや厚手で特徴的なハードカバーに「MORESKINE」の刻印が入っています。
▲ウィークリー手帳とノートブックのラージ
手帳を束ねるバンドのほか、しおり紐(スピン)は1本付いているのみ。多くのビジネス手帳などは月・週の予定ページと当日のページが見られるよう2本付いていることも多いなか、強気のデザインです。ページ構成も至ってシンプルで、余計おまけページはほとんどありません。
▲さすがに単位換算など最低限のページはある
ウィークリー手帳の場合は月間表1年分が先にあり、週間表が後に続く構成となっています。
▲週間表ページは左に区切りがあり、右は自由
ノートブックに至ってはこの通り、何のガイドラインもありません。自分で区切りやページ数を付けるも良し、アイデアを順に書き殴っていくも良し。まさに高級な自由帳です。
特徴・使用感など
無駄を削いだミニマルなデザインですが、機能自体は至って普通のノートです。モデルによっては罫線入りのものや何の線もないタイプもあります。
紙質は最近の手帳では余り見られないザラッとした感じ。昔ポプラ社が出していた少年探偵シリーズの小説がちょうどこんな紙質だった気がします。ペンのかかり自体は良いので、ツルツルした紙が苦手な方には相性が良いと思います。
▲唯一、機能といえる機能
巻末のポケットはなかなか固めの造りなので、ちょっとしたカード類を入れても手帳が膨らんだりしないのは嬉しいところ。私は給与明細など手当たり次第に入れていました。
良い点・悪い点
余計な機能がない
本当に最低限の機能に絞られています。何せペンホルダーもありませんので、私はこのように無理矢理差し込んで運んでいました。
▲実際にはアタッチメントが別売で存在する
ビジネス手帳には機能や記入欄が付きすぎて分厚くなっているものもあります。モレスキンは必要に応じて自分でカスタムが必要な部分もありますが、そういうのが好きな方にはハマると思います。
それなりに頑丈
ハードカバーは撥水性があり、擦れにもある程度の耐性があります。カバーが一体型なので比較的薄く、様々なシーンで使えると思います。机がないような場所でも安定して筆記できますので、個人的にはフニャフニャしたトラベラーズノートより長期旅行向きかと思います。
検索性はイマイチ
インデックスもなく、構成が月間表1年分→週間表1年分なので完全に1本のしおり紐頼りです。せめて4月カレンダー→4月週間予定→5月カレンダー…といった構成であれば目的のページも探しやすかったと思います。もちろんこれはウィークリー手帳の話ですので、ノートブックを1から自分の使いやすいようカスタマイズするという手もあります。
紙質は微妙
高級な価格の割に紙質そのものは高級ではありません。数年前にアップデートされ裏写りしなくなったと言われていますが、油性系のペンなどは裏写りします。
▲何を書いているんだ
ボールペンで書く分には、この適度な引っかかり感が好きというユーザーもいるかもしれません。
総評
とにかくミニマルで洗練された物が好き、という方々にはカルト的な人気があります。若干高めの価格設定なのは付加価値だとは思いますが、様々なシーンでタフに使えるのは間違いありません。
ウィークリータイプのものはその年度しか使えませんが、ノートタイプは持っていても腐りませんので贈り物としても良いかもしれませんね。
今回はここまで。