近年は自転車を題材としたメディア作品の影響から人気のスポーツ自転車ですが、その多くは海外製。地方では取扱店や在庫がなく、郵送での取り寄せが選択肢に入ることがあります。
以前はデメリットが大きかった通販での取り寄せですが、現在はどうなっているのでしょうか。今回はそんなお話です。
現在のスポーツ自転車通販
昔の自転車通販は「知識があってイチからでも組み立てができる人用」といった風潮がありましたが、現在はそうでもなくなってきています。例えばコスパ最強と名高いドイツの「CANYON(キャニオン)」は実店舗を持たず、自社通販サイトのみでの販売です。
メーカーや販売店によって差がありますが、ほぼ組み立てられた状態で発送されてくることも珍しくありません。親切な販売店であれば、シートポスト(ピラー)と前輪をはめたら完成!という状態で発送してくれます。防犯登録や保険加入も一括で手続きしてくれる所もあり、正に至れり尽くせりです。
注意した方が良いこと
通販が利用しやすくなったとはいえ、注意した方が良い点もあります。書き出すとキリがないので個人的に感じたことなどを優先して書いていきます。
シートクランプは締めすぎない
▲シートポストを留める大事なパーツ
シートクランプを締めすぎると、最悪シートポストが割れてしまいます。シートクランプに書かれている数字は「指定トルクの最大値」なので、それよりも小さくなるよう調整していきましょう。
エアロ形状のシートクランプは最初「何この古代のオーパーツみたいな留め具…」と思ってしまいがちですが、根っこの考え方は同じです。
▲締めると三角形がズレあってシートの隙間が埋まる仕組み
▲最初は緩すぎてシートチューブ内に落とした
ダミーローターは捨てない
ディスクロードに付いているダミーローター。これを外してホイールを装着するわけですが、捨ててはいけません。輪行やフレーム洗浄でホイールを外す際にパッド間に噛ませておくのに使います。
▲食パン袋の留め具のような見た目
パッド間がカラの状態でブレーキを引いてしまうと、パッドがくっついたまま戻らなくなりホイールが装着できなくなります。
多くの場合ダミーローターは1つしか付いてきませんので、前後輪を外して輪行する場合は別途ダミーローターを用意するのが良いでしょう。
予備パーツはダミーローターと違ってウッカリ捨ててしまうことはないでしょうが、無くさないようにしっかり保管しておきましょう。
他店持ち込みはモラルを持って
リアディレイラーやスプロケット周りのトラブルやメンテナンスで、やむなく地元の自転車店に他店持ち込みとなるケースもあると思います。
受ける側からすると余り旨味がない仕事になりますので、ホイールは実店舗で購入するだとか、消耗品を継続的に買ってお付き合いするなどのモラルはあっても良いのかな…と個人的には思っています。
ちなみに得体の知れない格安メーカー製品などは色々な意味でメンテナンスのしようが無く、お断りされることもあると聞きます。やはりスポーツ自転車は知名度のあるメーカー製品を買っておくことをお勧めします。
メリットを把握して賢く利用
ひと昔前より確実に利用しやすくなった通販ですが、サイズフィッティングは実店舗に分がありますし、カラーやサイズの在庫は通販に分があることが多いでしょう。実店舗と比較するとそれぞれ特有のメリットがありますので、賢く利用したいものですね。
今回はここまで。