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ナッジ理論を意識すればゲーム感覚で課題を解決できるかも?

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予算も人員も設備もない、それでも目に見える成果を出さなくてはならない。日々の仕事や活動のなかで、そんな状況はありませんか。

人の行動というものは、実際にはそのほとんどが不合理的な意思決定のもとで行われています。今回はそんな不合理さと上手く付き合うための「ナッジ理論」をご紹介します。

ナッジ理論とは

「ナッジ理論」は人間の行動を心理学、経済学の毒面から研究する「行動経済学」の教授によって発表されました。この行動経済学を実社会で役に立てる一つの方向性として示されたのがナッジ理論です。

「ナッジ(nudge)」という単語には「ヒジで軽く突く」という意味があり、ナッジ理論は「ヒジで軽く突くような小さなアプローチで、人々の行動を変える戦略」といえます。

ナッジ理論で最適な選択を促す

行動経済学の根底の考え方として「人の行動は(非)不合理である」というものがあります。ダイエットはしばしば失敗し、重要な案件ほどつい先送りにしてしまいがちです。

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このような「やらない」という意思決定のクセは「日々のルーティンを維持する快適さ」と無意識の天秤にかけられた結果起こっています。

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厚生労働省 がん検診受診率向上施策ハンドブック より引用

人は誰しも「将来の利益よりも現在の利益(欲求)を優先する」「情報や選択肢が多すぎると選択できなくなる」「確実性を好み損失を回避する」といった傾向を備えています。ナッジ理論はこうしたバイアスを踏まえた上で、より良い選択を手助けするための手法でもあります。

「EAST」を意識した後押し

ナッジ理論を現場で使いやすくするべく考えられたフレームワークが「EAST(Easy,Attractive,Social,Timely)」です。

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「適切なタイミングで簡潔な情報を届ける」というのはある意味基本的なことですが、ここに「報酬(魅力)」「社会規範」の概念が加わります。

「Attractive」については「◯◯するとAが貰えます」ではなく「◯◯しないと本来貰えるはずのAが貰えなくなります」といった損失回避傾向を利用するメッセージが有効な場合もあります。

実際の事例

ナッジ理論の実践例は本やwebサイトなどに山ほど転がっていますので、今回は一例のみご紹介します。以下はホテルのバスタオル再利用率を向上させたい場合、ホテルのドアプレートに記載するメッセージとしてはどれが効果的か?というものです。

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「地球を守るため再利用しましょう」より「この部屋に宿泊したほとんどのお客様が、滞在中最低1回はタオルを再利用しています」の方が効果的という結果が出ていますが、これは「人が他人の行動に影響される傾向(同調効果)」を生かした事例と考えられています。

かかる費用にはほとんど差はないのですが、ちょっとした書き方(伝え方)だけで10%以上の人の行動を変えられるということです。

まとめ

  • 人の意思決定の多くは無意識で不合理的
  • ナッジ理論により適切な選択を後押しできる可能性がある
  • 伝え方については「EAST」を意識すると良い

ナッジ理論の実際の運用例は「伝え方を従来から少し変えただけ」のものが多く、ひとつひとつを見れば取るに足らないものばかりです。だからこそ、日々の課題解決に導入しやすいというメリットがあります。

例えば、今まで何となく職場のカウンターに置いてあった募金箱にメッセージを添えて自販機の横に移動する。これだけでも、人の行動の変容を見ることができるかもしれません。まずは身近なことから、ゲーム感覚で取り組んでみてはどうでしょうか。

 

今回はここまで。