2020/8/2追記: 経営会社の撤退により、2020年6月をもって閉館しました。
高い空の雲の中で、雪の結晶が二、三ミリの大きさに成長するのに約一時間。
そして地上に積もるまでのわずか一時間か二時間が、雪の短い一生です。
雪の美術館内キャプション「雪の一生」より引用
北海道の中でも有数の豪雪地帯、旭川。
何かと雪に縁が深いこの地には、雪をテーマにした美しい美術館があります。
今回はその「雪の美術館」を訪ねてみました。
概要
雪の美術館は1991年に「北海道伝統美術工芸村」の一部として開館しました。
約45億円(調度品含め約60億円)もの建築費用が費やされた豪華な建物は、ヨーロッパのビザンティン建築様式が用いられており、曲線を多様した優雅な造りとなっています。
開館後にはバブル崩壊や、高速道路開通による交通の流れの変化の影響を受け入館者が激減。「国際染織美術館」「優佳良織工芸館」が休館(実質閉館)。伝統美術工芸村の最後の一館となってしまいましたが、コンサート会場や結婚式場として根強い人気があるそうです。
アクセス・営業時間など
営業時間:9:00〜17:00(最終入場16:30)
定休日:年中無休
入場料:大人700円、大学・高校生500円、小・中学生400円
※インターネット割引あり
旭川空港から車で40分、駅から15分、インターチェンジから10分ほどです。広い無料駐車場がありますので、車で行くのに全く問題はないと思います。旭山動物園からは30分。セットチケットが若干お得な1,500円です。
女性にはドレスの貸し出しプランもあり、どうやらこれが人気のようです。
所要時間
じっくり見て回っても1時間、各部屋をザッと見るだけなら30分あれば十分です。
今回はキャプションや解説映像を見て、売店でお土産も買いましたが1時間でした。ドレスをレンタルして写真撮影するともう少しかかるでしょうか。日帰りで旭山動物園とセットで行っても十分時間に余裕がありますし、美瑛の青い池までも車で1時間くらいの位置です。
道北観光の一環で立ち寄るには良い場所です。これを観光のメインに据えるには物足りないと思います。
館内を散策してみる
▲この門をまっすぐ
駐車場から門はすぐそばですので、迷うことはないでしょう。近くの立派な建物はそれぞれ休館中の国際染織美術館、優佳良織工芸館です。
▲ガワは綺麗なので勿体ない気がする
今回は平日の昼過ぎに行ったので人も少なめでしたが、土日はどうも入り口で写真を撮るにも人が入り込んで邪魔になるそうな。
▲いかにもブライダルやってそうな外観
▲右手にすぐ受付があるので受付のお姉さんに見られながらの撮影
豪奢な造りの数々
螺旋階段を降りていきます。様々なディティールに雪の意匠が施されており、独特の空間です。
▲よく撮影されているアングル
続いては氷の廊下。汲み上げた地下水で氷柱を作っています。
氷像とかオブジェではなく、ただ氷を造り続けるというちょっと狂った空間です。
▲道外から来た人には良いけど道民的にはどうなんだ
廊下を抜けると回廊フロア。写真撮影だとか貸衣装の受付もやっています。
▲この辺で外国人が奇声を上げながらワチャワチャしていた
▲ホールではコンサートもやったりするのだとか
展示スペースには一応「順路」の表示こそありますが、適当に見て回っても取りこぼすような展示量ではありません。
▲やや古ぼけた展示
▲キャプションや展示は中々の量
▲展示室
撮影スポットとしては、このステンドグラス部屋が一番人気ではないでしょうか。
意外と狭いので、ぶっちゃけ人がいると写真撮影の邪魔ではあります。
▲人が捌けるのを待つこと3分
レストランもやっているみたいですね。
個人的見所
アトリエピエロの画家である清水新也 氏の展示がされており、ご本人の写真も何箇所かにありました。
数々の栄誉ある賞を受賞されている方だそうです。
どうもウイルスバスター2010の広告の人とは別の方みたいですね。
▲似ているけど別人だよ。知らないのか?
フォトジュニックな美術館
貸衣装の影響か客層は女性やカップルが多く、アラサーの男1人で行くには堪えました。
また、建物自体はあくまで美術館。フォトジュニックな空間ではありますが老朽化している箇所もあり、写真や映像資料も粗が目立つところもあります。
映画「アナ雪」の影響で集客を盛り返しているそうですので、改装や工芸村の他2館復活を待望します。
2020/8/2追記:経営会社の撤退により、惜しまれながらの閉館となりました。工芸村全体の利活用含めた今後の動きに期待します。
今回はここまで。