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減量のために運動習慣を見直すなら生活習慣もセットで見直した方が良いという話

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今週のお題は「運動不足」です。

減量しよう!と運動を再開したものの、どのくらいの頻度や量、強度で実施すれば良いのかわからず体重も思うように減らない。そんな経験はありませんか。

今回は皇學館大学の研究報告「生活習慣病予防と改善のための運動」の紹介を交えながら運動習慣と生活習慣について考えてみたいと思います。

有酸素性運動と減量

多くの人が運動を短期間で挫折してしまう理由は、即効性を期待しすぎていることにあります。

例えば体重70kgの中年肥満女性が4km/hで1時間のウォーキングを行った際、消費されるカロリーは約160kcalです(基礎代謝含め約220kcal)。

ここから脂肪を2kg減少させるにはどうしたら良いでしょうか。

脂肪1kg≒7,000kcalですから2kgで約14,000kcal。

これを160kcalで割ると87.5。

休みなく続けても2kgの減量に90日近くを要することになります。

もちろん、これが2日や3日に1回のペースであれば単純に2倍3倍の期間を要します。

運動効果が出てこない?

中には2ヶ月、3ヶ月と運動を継続しても減量効果が現れないケースもあります。

その理由として、減量を始めるときのエネルギー摂取量が消費量よりも高い状態であることが挙げられます。

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「最近太ってきた」という理由で運動を始めた場合は上図Bの状態と考えられます。

適切な運動介入の効果

週3回、1回90分のウォーキングによる運動介入により、日常生活での身体活動量が増加したという研究があります。

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無理のない頻度・強度での運動は日常生活の活動量増加を促し、減量に貢献する可能性があるといえます。  

無酸素性運動と減量

体重が減らないのは基礎代謝が低いためであり、筋量を増やすことで基礎代謝を高められる。

そんな論調で、近年は筋力トレーニングが推奨されることも多々あります。

しかし、仮に筋量が1kg増加したところで1日のエネルギー消費量は20kcal程度しか増加しないことがわかっています。

研究報告内でも以下のとおりバッサリ。

一般者が脂肪量を増やさず筋量のみを増大させるトレーニングをおこなえば(おこなうことは、まず不可能であるが)、怪我や障害につながり、健康づくりには逆効果である。

筋力トレーニングにより痩せた、という人は筋力トレーニングを実施した時のエネルギー消費量が有酸素運動時なみに高まった結果である、と考察されています。

食事と減量

女性用の小さな茶碗に軽く一杯のご飯のエネルギーは約240kcal。仮に1日3食で茶碗2杯食べているものを1杯ずつに抑えれば、1日で約720kcalを抑えることができます。 

これは水中ウォーキング約2時間分に相当します。いかに運動によってエネルギー消費量を確保することが大変かがわかりますね。

笹井ら(2007)や片山ら(2008)が運動実践による減量介入をおこなったところ、3ヶ月間で約3kgの減量であったが、食事制限を加えた減量介入では、同じ3ヶ月間で約7-8kgの減量を達成できることから、減量効果は明らかに食事の影響が大きい。

ただし、単にエネルギー摂取量を減らすだけでは栄養素が偏ってしまうことや、減量後のリバウンドが懸念されます。

適切な運動強度や頻度あるのか?

運動の強度や頻度、実施時間は当然ながら個人間で大きく差があります。一応、アメリカスポーツ医学会が推奨する運動指針は以下のようになっているようです。

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「肥満」に対する運動頻度週5〜7回はかなりキツいですね。

 一般健常者が週3〜5回で20〜60分となっていますので、まずはこの辺りから始めるのが良いのではないでしょうか。

まとめ

・有酸素運動による減量は長いスパンで考えるべき

・筋力トレーニング単体の減量効果は喧伝されるほどではない

・食事により減量効果は大きく左右される

最近は「有酸素運動は筋肉が削られる」「HIIT(高強度インターバルトレーニング)で劇的に脂肪燃焼できる」といった情報が盛んに出回っていますが、ちょっと大げさに言い過ぎです。

筋肉が削られるほどの有酸素運動ともなれば、それなりの時間を費やさなくてはなりません。また、それで削られるほどの筋量を持っている人がどのくらいいるというのでしょうか。 

月並みですが、流行りのトレーニングにアレコレと飛びつくより2〜3ヶ月スパンでじっくり取り組むことをお勧めします。

 

今回はここまで。