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まちライブラリー@千歳タウンプラザに新しい図書館のカタチを見た

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【caution!】

以前の探訪に基づいた記事です。

現在の状況と異なる場合があります。

 

突然ですが皆さんは「図書館」にどんなイメージをお持ちでしょうか。

「飲食禁止」「私語厳禁」…中には「勉強禁止」の所もありますよね。ちょっと堅苦しいイメージがあるかもしれません。

基本的に図書館は自治体の管理下にありますので、利用者の公平性を保つため少々窮屈なルールが設けられていることが多々あります。 

ならば、役所ではなく民間運営、皆が持ち寄った本で運営されている図書館があるとしたらどうでしょう。

今回はそんな施設「まちライブラリー」のご紹介です。

概要

まちライブラリーとは、カフェやギャラリー、商店、病院など様々な場所に本棚を設置し「本」をきっかけに人と交流する、地域コミュニティの場としてみんなで作る図書館を指します。

場所については本当に多種多様で、中には自宅やお寺の一部がライブラリーとして解放されていたり、果物の販売所、中には屋外というケースもあります。もはや何でもアリです。

今回はその中でも国内最大規模と目される「千歳タウンプラザ」内のまちライブラリーを見てきました。

まちライブラリー@千歳タウンプラザ

千歳タウンプラザの建物は、元々地元の商業者などが共同出資しダイエーとフランチャイズ契約を結び「ちとせデパート」として運営されていたようです。

ですが、1999年に約46億円の負債を抱えて破産。ガワの建物だけが持て余される状況が続いていました。

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▲現在の状態

ですが、2016年にまちライブラリーをはじめ子供向けの屋内遊具施設「ピッピちとせ」や屋内パークゴルフ場が一挙オープン。改装後1ヶ月で約2万人が利用する人気施設へと変貌しました。

内部はこんな感じ

全体的なガワの感じは商業施設時代のままですが、タップリすぎるほどのスペースを贅沢に使っており中々イケてるつくりになっています。

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▲ガワの構造は商業施設の名残がある

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▲明るめの照明で活気がある感じ

本棚も開かれた感じで、いわゆる従来の図書館が「目的の本があって、それを探す」というのに対し「パッと目に入った本を手にとって読んでみる」のに適した造りになっていると感じました。

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▲ガッツリ漫画本も置いてある。民間ならでは

コミュニティスペースとしての活用

従来の図書館との違いとして「コミュニティの拠点として機能している」点です。そこかしこに楽しそうなイベントの案内などが掲示されています。

従来のコミュニティセンターでは営利目的のイベントは制限されていたりしますが、ここは民間のスペース。営利目的の利用もオッケーということです。

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▲商用利用も全然OK

一方で真面目な掲示もあります。

普段は「やったらおしまい」のシンポジウム結果も、このように多くの人が見るスペースで共有されていると「こんな事をやっているんだな」と理解してもらえますよね。

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▲これは良い取り組み

カフェや勉強スペースも充実

イイ感じのカフェも入っています。これは民間ならではの強みですよね。ちょっとした物販もありました。

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▲美味しそう

公営の図書館はこういう掲示物もいちいち野暮ったい感じですが、さすが民間のセンスです。

勉強スペースも気配りがなされていて、貸し出しのブランケットなど備品も充実していました。

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▲コンセントも使用OK

まとめ

公営図書館とは住み分けされた、新しいコミュニティの拠点という感じがしました。

まちライブラリー自体、図書館としての利用を軸にしていくなら仕組みづくりと収益化のハードルがちょっと高そうですが、既存の商業施設のデッドスペースなどでも充分に小規模運営が可能です。

まちライブラリーwebサイトから近隣のまちライブラリーを検索できますので、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

無ければ自治体にサポートをお願いして作っちゃうのも手ですよ。

 

今回はここまで。