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最速は誰だ!? 2019年日本陸上競技選手権 男子100m展望

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どうも、森です。

今回はいよいよ3日後に迫った日本選手権についての内容です。

 

近年代表争いが熾烈化している男子100mですが、今年は掛け値なしに「史上最高レベル」といえます。

今回は過去のエントリーリストの比較や、9月末のドーハ世界選手権の内定条件を併せて確認してみましょう。

今年は稀に見るハイレベル

連日報道されているように、今年の男子短距離は史上稀に見るハイレベルです。

6月初旬時点で実に8人が今季公認で10秒2台を切っています。5月の関東インカレ決勝では追い風参考とはいえ、東洋大の宮本選手が10秒01、東海大のデーデー・ブルーノ選手が10秒11をマーク。

まさに10秒1台のバーゲンセール状態です。

このうち山縣選手は気胸で欠場とのことですが、それでもなお超ハイレベルな試合になることは間違いありません。

過去のエントリーリストとの比較

今年のレベルがいかに異常なのか、過去のエントリーリストと比較してみましょう。

上が2018年、下が今年です。準決勝進出相当のトップ16名を引っ張ってみました。

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日本陸上競技連盟公式サイト より引用

見てのとおりランキング16位相当は同じ10秒3ですが、10秒1台までのシーズンベストの選手が昨年は6名、今年は10名。

昨年の予選通過ラインは10秒47でしたが、今年は予選から10秒4ジャストないし10秒3台を出さなくては予選落ちするようなレベルになる可能性もあります。

ついでに10年前の2009年日本選手権のエントリーリストも引用させていただきます。いかに近年高速化しているかがわかりますね。

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有力選手のレース展望

今季の仕上がりを見る限り、アクシデントがない限りはサニブラウン選手、桐生選手、小池選手の3名の争いになるかと思われます。

サニブラウン選手

今年は2月の室内シーズンから始動。60mで日本タイ記録の6秒54をマーク。

5月には早くも10秒の壁を突破する9秒99をマーク。6月の全米大学選手権では9秒97の日本新記録。しかも直前にリレー決勝を走るというハードな日程の中での記録でした。

2017年の日本選手権では雨上がりのコンディションで10秒05をマークして優勝しているので、多少悪コンディションでも9秒台に乗せてくる可能性もあります。

懸念材料があるとすればリアクションタイムでしょうか。全米大学選手権の決勝ではリアクションタイムが0.198秒もかかっています。

「リアクションタイムが遅くて9秒97なら改善されれば云々」というタラレバ意見も散見されますが、リアクションタイムは一朝一夕で短縮は難しいと思います。

リアクションタイムを捨て、開き直って走る可能性もあります。

桐生選手

シーズンベストが10秒10に終わった昨シーズンとはうって変わって、今季は10秒0台を連発しています。

特筆すべきはアジア選手権やゴールデングランプリで見せた勝負強さでしょう。昨シーズンまでは競り合いの局面に課題があったようですが、今シーズンは「出る試合は全て獲る」というような気迫を感じます。

走りそのものに関しても、大学時代と高校時代のハイブリッド版のようなフォームになった印象です。

終盤失速するときは30mくらいでガチャガチャした動きになり上下動が出てきますので、いかに加速段階で自身の走りにフォーカスできるかが勝負の分かれ目かと思います。

小池選手

昨年のアジア大会では200mで優勝。世界選手権・オリンピックに向けて200mに集中すると思いきや、今季はメキメキと100mの自己ベストを短縮。

6月の海外転戦では10秒20と10秒15。昨年までの自己ベスト10秒17はいつでも切れるような安定した地力を証明。

狙った試合へのピーキングが良い印象がありますので、10秒0台相当まで上げてくる可能性が高いです。

競り合いにも強い印象がありますので、優勝を狙うのであれば、むしろどの段階で競り合いに持ち込むかがポイントかもしれません。

代表内定条件 

今年9月末開幕のドーハ世界選手権の参加標準記録は10秒10。今回の日本選手権で即内定する条件は下記のとおり。

  • 標準記録突破+日本選手権優勝
  • 2019年アジア選手権優勝+日本選手権優勝

この条件でリーチがかかっているのは標準記録突破+アジア選手権優勝の桐生選手、標準記録突破のサニブラウン選手、小池選手の3名です。

また、代表選考要項シレッと赤字で重要なことが書いてありました。 

本大会で、個人種目において3位入賞以上の成績を収めた日本人最上位の代表選手で、本大会終了時点で東京オリンピックの参加標準記録を満たしている者を東京オリンピック日本代表選手に内定する。

また、世界選手権終了時点までにオリンピックの参加標準記録を満たしていない場合は、2020年に開催される該当種目の日本選手権終了までに参加標準記録を満たした時点で内定する。

東京オリンピックの参加標準記録は10秒05。

発表された当初は「なんだこの記録」「シドニーの頃は10秒27だったのが懐かしい」などのコメントが飛び交いましたが、上で紹介した3選手は既にこの記録を突破しています。

この日本選手権で優勝できれば、今年の世界選手権、来年の東京オリンピックにかなり集中して臨むことができるというわけです。

ぶっちゃけ今回欠場の山縣選手にはかなり逆風が吹いています。

まとめ

長々と書いてしまいましたが、今回は本当にどうなるかわかりません。

ドーハ世界選手権は世界選手権としては恐らく史上最も遅い9月末開幕。

世界選手権で結果を出すのであれば、何としてもココで内定させて一旦疲れをとり、夏場は鍛練期に入りたいところでしょう。

リレーメンバーの選考も、今後混沌とした状況になると思われます。

100m決勝は6月28日(金)20時30分スタートです。お見逃しなく。 

 

今回はここまで。