【caution!】
本稿は私見が入った記事です。
どうも、森です。
前回の記事に引き続き筋肉の話題です。笑
腹筋運動や脚を引き上げるようなトレーニングをしたとき、付け根の外側あたりがジワーっと効く感じがすることはありませんか。
トレーニングの後、そのあたりを押さえて「腸腰筋(大腰筋)がキツい」という選手を見かけることもあります。
もしかすると、腸腰筋だと思っているその部分は「大腿筋膜張筋」かもしれません。
スポーツをしている人以外にはちょっとマイナーなこの筋肉。今回はここの働きやケア方法などについて書いてみました。
概要
まずは勘違いしやすい腸腰筋と大腿筋膜張筋の部分と働きについて確認しましょう。
腸腰筋とは
スポーツの現場ではよく耳にする「腸腰筋」ですが、実際には「腸腰筋」という名前の筋肉はありません。
「腸腰筋」は大腰筋・小腰筋・腸骨筋からなる筋群の総称です。
腸腰筋(ちょうようきん)は腰椎と大腿骨を結ぶ筋肉群の総称。腸骨筋と大腰筋が関連している。内臓と脊椎の間にあり、深部腹筋群とも総称され見えない筋肉の一つ。主に股関節を屈曲させる働きをするが、腰椎のS字型を維持する働きを併せ持つ。腹腔の後ろにあり、脊柱を前屈させる筋でもあるため「深腹筋」と呼ばれることもあり(とくにスポーツ選手やトレーナの間でよく用いられる)運動に非常に重要な働きをしている。
(中略)
1990年代中頃から、特に短距離走を始めとする瞬発系競技の選手や指導者らの間で盛んにこの言葉が用いられるようになった。
(中略)
腸腰筋はハムストリングスの主な拮抗筋であり、運動能力との相関が強い。
wikipedia より引用
▲大腰筋
▲小腰筋
ちなみに小腰筋はおよそ半数くらいの人が先天的に欠如しているといわれています。凄いですね人体。
▲腸骨筋
この「腸腰筋」の中でも大きな役割を果たすのが、一番上に載せた「大腰筋」です。
股関節の屈曲、股関節の外旋、脊椎の屈曲といった働きがあります。陸上競技などにおいては脚の引き付け、股関節の屈曲機能がしばしばフューチャーされています。
大腿筋膜張筋
大腿筋膜張筋は股関節の外側に位置する筋肉です。
上前腸骨棘から長脛靭帯まで伸びており、股関節の屈曲、股関節の内旋、股関節の外転に関わっています。
▲大腿筋膜張筋
なぜ混同されがちなのか
スポーツ指導の現場で腸腰筋は「脚の付け根」「お腹の奥」といった説明をされることがあります。
また、膝を内側に絞るようにして脚を引き上げると、ちょうど脚の付け根にある大腿筋膜張筋がボコッと隆起するのがわかります。これが両筋肉の混同の一因と思われます。
さらに両筋肉は「股関節の屈曲」という働きでは共働するうえ、見ての通りご近所。混同されてもおかしくはありません。
▲大腿筋膜張筋→腸骨筋→大腰筋
大腿筋膜張筋の働きが悪くなると…
実はこの大腿筋膜張筋、 固くなり易い筋肉のひとつです。
大腰筋もろとも働きが悪くなっていたり、大腰筋が上手く稼働せず大腿筋膜張筋ばかりに負荷がかかると独特の「股関節の詰まり感」が出てきます。
酷いときは体育座りの姿勢をしただけでも前面が詰まった感じになります。
こういった状態が続くと腰痛を引き起こしたり、腸脛靭帯炎(膝の外側上部の痛み)になったりします。
いずれも慢性化しやすく厄介な故障です。
大腿筋膜張筋のケアやトレーニング
症状が慢性化している場合は専門家の治療を受けるべきですが、日頃のケアも重要です。
簡単なものをいくつか載せていきます。
フォームローラーでのケア
フォームローラーでのケア方法も少し調べると簡単に出てきます。いい時代ですね。
ちなみに付け根の所は固くなっているとマジで痛いです。
例によってフォームローラーが無ければテニスボール等でも代替できます。
ストレッチ
脚の付け根の筋肉だけあって、末端部のポーズはいくつかバリエーションがあります。
実際にやってみて、しっくりくるものを選んでみるのが良いと思います。
トレーニング
あまりピンポイントにここを鍛えている人を見たことが無いのでコメントし辛いですが、調べたところヒップサイドリフトが有効なトレーニングの一つのようです。
腹横筋の刺激にもなりそうな感じに見えますね。
まとめ
・腸腰筋と大腿筋膜張筋は似て非なる(?)もの
・働きが悪くなると故障が慢性化する可能性も
前脛骨筋と同じく、この部位も多少張りがあっても走れてしまうため悪化し易いです。
特にスピードレベルが高まってくると張ってきやすいところかと思いますので、折を見てケアすることをお勧めします。
今回はここまで。