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スプリンターにも評判のシューズ、エア ズーム ペガサス35を今更レビューしてみる

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どうも、森です。

今回はスパイク以外では初のシューズレビューです。

 

スプリンターのシューズ選びというものは、しばしば難航します。

というのも、スプリンターがシューズに求める機能というのは相反する要素があるからです。好みの程度の差はありますが、おおむね以下のとおりです。

  • 反発性
  • 耐久性
  • 剛性
  • 軽量性

当然、軽い靴に耐久性はありませんしクッション性があれば反発は弱いのが世の常でした。

そんな中、近年ナイキは「クッション性がありながらも高反発」という不思議な路線にシフト。「厚さは速さだ」の公式フレーズはその最たるものでしょう。

今回はそのメインストリームの一翼を担うシューズ、エア ズーム ペガサス35をレビューしたいと思います。

概要 

ナイキ エア ズーム ペガサス 35は、経験豊富なランナーから初心者ランナーまで、あらゆるレベルのランナーに対応する一足。通気性に優れたメッシュのアッパーと外側に反った履き口で、アキレス腱を快適な状態に保ちます。クッショニングをフルレングスのZoom Airでアップデートし、かつてないほどスムーズで自然なストライドを実現します。

NIKE 公式オンラインショップ より引用

「ペガサス」シリーズは1983年の初代誕生から毎年新たにリリースされ、2018年モデルをもってして35代目を迎えるに至りました。 

このシリーズは、ナイキのランニングシューズでは最も売れているようです。 定番シリーズでもどんどんアップデートさせていく…というナイキの姿勢を感じますね。

カタログスペック

カタログスペックはこんな感じです。

傾斜したヒールとラバーアウトソールのストリップが、着地を最適な位置へ導き、スムーズな移動をサポート

靴底の一部に配した厚みのあるラバーがトラクションを発揮

オフセット:10mm

重量:約281g (メンズサイズ28cm)

表示カラー: インディゴフォース/フォトブルー/ブルーボイド/ホワイト

NIKE 公式オンラインショップ より引用

軽量なシューズに慣れた方は重く感じるかもしれません。私はアディゼロジャパン ブースト(約230g)からの履き替えでしたが、最初は少し重く感じました。 

薄底・軽量なレーシングシューズですと150g程度のモデルもあることを考えると、決して軽量ではありません。

ペガサス34との違い

その完成度の高さから「シリーズ最高傑作」との声もあった前モデルのペガサス34。そこからどんなアップデートがあったのでしょうか。

着脱を楽にするためにシュータンにノッチ(V 字の切り込み)を採用。

つま先のスペースを広げ、屈曲しやすくするためにつま先近くの「はと目」を移動。

ファラーの意見を元に、かかとの履き口をアキレス腱に当たらないように外向けに角度をつけ、快適性を向上。 かかとのソールがせり出した形になっており、着地の安定性を向上(同時に速く、現代的な印象を提供)。

JPUBB 記事 より引用 

快適性の高いメッシュアッパーやミッドソールにナイキ ズームエアとクシュロンフォームを組み合わせた点は残しつつ、かなりアップデートしていることが伺えます。

外観

私は暗めの色を選びましたが、それでも目を惹くカラーリング。本当にナイキ社はこういうモノづくりが上手です。

f:id:Wetland:20190220233211j:plain▲厚底ながら野暮ったくないデザイン

f:id:Wetland:20190220233416j:plain▲丸みを帯びたソール

他のシューズとの比較

かなり独特な感じですので、他社シューズとは正直比較しづらいです…。

ソール

ミッドソールは見てのとおり特徴的な厚底。

また、他社製のシューズのアウトソールは前足部・中足部が分かれたような造りのものが多いのですが、これは左右に分かれるような少し変わった配置です。

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ヒールカップ

ペガサス35の大きな特徴のひとつ、外向きに角度のついたヒールカップ。アキレス腱にも優しい構造になっているとのことです。

何でもモハメド・ファラーの意見を取り入れたとか何とか。

f:id:Wetland:20190220234428j:plain▲特徴的な形ながら合理的 

特徴・使用感など

厚底でクッションのあるシューズは、ちょっとスプリントの動きに対するレスポンスが物足りないことがほとんど。速く鋭い踏み込みに対して返ってくるまでラグがあります。

しかし、このシューズは前評判通りクッション性がありながらレスポンスも悪くありません。スプリンター達の評判が良いのも納得です。

その他特徴としてはソールの屈曲なのか、前にちょっと体重をかけると勝手に重心が移動します。後ろから押されているような新感覚です。

良い点・悪い点

様々なシーンで使える

革新的な面が見えるシューズですが、あくまで「日々のトレーニングで使用」されることを想定し設計されています。

耐久性・クッション性とレスポンスの良さから、スプリントやジャンプトレーニングにも使い倒せるシューズといえます。

フィッティングの良さ

定評のあるフィッティングの良さ。

思想としては一時期流行った「素足感覚」の薄型・軽量シューズとは真逆ともいえる設計でしょうが、これはこれで良いものだなと感じました。

スプリンター達の評判が良い

目を惹くデザインもさることながら、機能面がベテラン勢にも好評です。

特にアキレス腱周りに不安の多い方から好評価の印象。私もこの冬はアキレス腱周りのトラブルは発生していません。 

中には複数足揃えている方もいるようです。 

試合用としては少し物足りない?

これだけの厚底ですから「履いている」感が出てしまうのは仕方がないと思います。

強いて言うなら、試合用としては「ちょっと物足りない」と感じる方もいるかもしれません。個人の感想ですが、試合に出るならもう少し軽量で薄底が好みですね。

とはいえ、シューズで出る短距離の試合というと冬の室内記録会くらいです。別にこのシューズでそのまま出ても問題ないと思います。

総評

ここまで脚の保護性を高めつつ、反発を殺さないレベルで仕上げているシューズは多くありません。

足型が合えば、日々のトレーニングに取り入れてみてはいかがでしょうか。個人的には、他社製とサイズ差があるようには感じませんでした。

価格的にも1万円を切っているところが多いです。手持ちに多少の余裕があれば、複数足揃えるのもオススメです。 

 

今回はここまで。