向かい風参考記録

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プライオメトリクスとウエイトトレーニングの順番はどのように決めるべきか…効果的なトレーニング順について考えてみる

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【caution!】

本稿は私見が入った記事です。

どうも、森です。

トレーニングの順番に関する記事その2です。

【参考リンク】

www.mukai-kaze.com

競技スポーツをしている方であればご存じの方も多いであろう、プライオメトリクス・トレーニング。

このプライオメトリクスですが、単体で実施するよりも、ウエイトトレーニング等のレジスタンス・トレーニングと組み合わせて実施した方が筋パワーを高めることができるようです。

(「コンプレックス・トレーニング」で検索すると出てきますので、今回詳細な説明は省略します)

今回は、スプリンターにとって効果的なトレーニング順番について考えたいと思います。

トレーニングの原則に当てはめてみる

前回の記事で少しご紹介した通り、一般論としてトレーニングの優先度は下記の順番といわれています。

  1. スピード
  2. 瞬発力
  3. 筋力

プライオメトリクス2番に該当します。疲労の影響を除き、できるだけフレッシュな状態で実施することが望ましいとされています。

したがって、プライオメトリクスとウエイトを1度に実施する場合はプライオメトリクスを先に実施するべき…というのが一般的な考え方です。

原則と逆のパターン

原則と逆のパターン…つまり、ウエイト→プライオメトリクスの順です。

私自身の体感としては、こちらの方が弾む感覚があります。どうやら、理屈としては 「使われる運動単位の動員数が増えてパワー発揮効率が良くなる」ということのようです。

先に筋肉に対して神経刺激が入ると、筋肉に程良いテンションがかかるということでしょうか。 いずれにせよ、このあたりはまだ分かっていないことも多いようです。

また、恐らくは被験者のコンディション、熟練度、競技種目によっても適切な実施順や回数、強度はいくらでも変わってくると思われます。

実際の研究1

「コンプレックス・トレーニング」で検索すると「コンプレックス・トレーニングが大学男子バレーボール選手の跳躍力および筋力,パワーに及ぼす影響」という研究が出てきましたので、こちらを確認していきます。

実験条件

被験者は,大学のトップレベル(西日本インターカレッ ジ優勝)のチームである大学男子バレーボール部の選手 (23 名)であった.

これらの選手は,これまでウエイトト レーニングとプライオメトリクスの経験があり,かつSQ の最大挙上重量が体重の1.5 倍以上の選手であった.

 ということで、いわゆる「熟練者」を対象とした研究です。

被験者を1SQの直後にDJを組み合わせて行うコンプレックス群(以下,COMP群),

2SQ後,1分間の休息の後,DJを行うコンビネーション群(以下,COMB群),

3DJは行わずSQのみ行うウエイトトレーニング群(以下,WT群) の3群にランダムに分類した.

※DJ…デプス・ジャンプ

期間は8週間だそうです。うーん、若干レスト時間が短い気がします。手続き上の問題でしょうか。

被験者が学生のものは、どうしても通常のトレーニングの妨げにならないように様々な制約が生じてしまいます。

結果 

トレーニング前後の記録を比較しても,各群ともに有意な記録の変化はみられなかった.また,群間の比較においても有意な差は認められなかった.

…思ったような結果にならなかったっぽいですね。

「バレーボールのジャンプの動きがプライオメトリクス的な刺激になっていた可能性」「鍛練期特有の疲労」がパフォーマンスに繋がらなかった可能性があるそうです。

同様に、大学バスケットボール選手を対象とした研究でもトレーニング方法による有意差が思うように出なかったようです。

実際の研究2

「プライオメトリックストレーニングとレジスタンストレーニング どちらを先に実施するべきか」というド直球な論文が出てきましたので、ご紹介します。

こちらは「ウエイトトレーニングのみの群」との比較ではなく、トレーニング順の比較です。

実験条件 

保健体育専修、スポーツ コース、健康コースに所属する男子10 名、女子 12名の計22名を対象とした。

先ほどの論文もそうでしたが、本当は群間に統計をかけるなら1つのグループで20は欲しいところです。でも、実際には難しいですね。

被験者を、プライオメトリックストレーニングを先に行いレジスタンストレーニングを実施する 群(PR 群)と、レジスタンストレーニングを先に行いプライオメトリックストレーニングを実施する群(RP群)の 2つに分けた。

結果 

SQ、VJH、RJI のすべての種目で、トレーニング後の方がトレー ニング前よりも有意に高い値になった。

SQ では両群ともに有意に記録が向上したが、交互作用は見られなかった。VJHでは唯一有意な交互作用が認 められ、RP群においてトレーニング前後に有意差があった。RJI では有意な交互作用は得られなかったが、多重比較をしたところ、RP群においてトレ ーニング前後で有意差があった。

トレーニングの結果から、PR 群は SQ のみ記録 が有意に向上し、RP群はすべての種目で記録が有意に向上したと言える。

この研究では、レジスタンス・トレーニング(ウエイト)→プライオメトリクスの実施順でより有意な記録向上があったようです。

まとめ

毎度毎度フワッとした感じですが、サクッとまとめていきましょう。

  • 一般的にはプライメトリスクスの後にウエイトトレーニングを実施するべき
  • 逆のパターンで記録が向上したと報告する研究もある
  • 前提条件により適切な順番は異なると思われる

特にスプリンターの場合「その日に走るトレーニングを実施するのか」でより良い実施順が決まってくると思います。

私の場合、ウエイトトレーニングとプライメトリクスを一度にする日はいきなりウエイトから入ります。

ウォーミングアップでスプリントの動きを入れるならば、その時点で十分に速筋が動員されている可能性も考えられます。その場合、プライオメトリクスを先に実施するのが良いのかもしれません。

個人的には4週間〜6週間ほど、体感と効果を照らし合わせて考えるのが良いと思います。 

 

今回はここまで。

【参考】

コンプレックス・トレーニングが大学男子バレーボール選手の跳躍力および筋力,パワーに及ぼす影響

プライオメトリックストレーニングとレジスタンストレーニング どちらを先に実施するべきか