【caution!】
本稿は私見が入った記事です。
どうも、森です。
先日は自分自身のウエイトトレーイング観を記事にしました。
【参考リンク】ウエイトトレーニングをする際に意識していることなど、好き勝手書く
今回は、いわゆるBIG3(ベンチプレス、スクワット、デッドリフト)の目標重量について考えてみました。
あ、前提として中高生は除外です。私もそうでしたが、高校生くらいまでの場合は筋肉自体まだつきにくい人もいますので。
短距離走とウエイトトレーニング
以前、走り込みの是非について記事化しましたが、ウエイトトレーニングの要・不要については、今日まで議論が続いています(今は必要派が優勢っぽいですが)。
といいますのも、ウエイトトレーニングの挙上重量と疾走速度というのは、どうやら相関が薄いということがわかっているからです。
特定の筋群と疾走速度、ピッチやストライドの相関は示されているものの、スクワットを高重量挙上できるからといって速く走れるとは限らない…というわけですね。
ですから、単純に高重量を挙上できれば良いというものではありません。ある程度「ここまで来たらボチボチOKかな」という目標値が必要です。
目標値:トータル400kg説
短距離界の有名人「福男スプリンター」こと吉田 氏(100m10秒42)も度々この話題に触れています。
吉田 氏は「体重が60kgの人はトータル400kgがひとつの目標」としています。経験的な話になってしまいますが、私も概ねこの説に賛同しています。
スプリンターにとっても ベンチ・デッド・スクワットの合計が 400kgは最低ないと、10秒前半は難しいと思います。
(体重60kgの選手の場合目標400kg、(体重80kgならば、計算上533kgとなる) 400kgってすごく的確な数字だと思います。すでに400kg挙げられる選手はそれ以上やってもあまりタイム短縮にはならないので、 専門的な練習に時間を割くべきだとも書いてありました。
僕のベストは ベンチプレス90kg フルスクワット165kg デッドリフト180kg合計435kgです。
福男スプリンター より引用
big3が400kgというのは、ひとつの基準ですね。エビデンスではなく、経験則です。例えば、現在の合計が200kgでしたら、多いに伸びしろがあると言えます。
— 吉田光一郎(福男5度獲得) (@fukuotoko) 2016年12月25日
対して、既に400kgを達成している場合は、ウエイトトレーニングで速くなるという伸びしろはあまり残っていないと思います。 https://t.co/W9yXDLqLSc
また、この「トータル400kg」というのは、奇しくもウエイトを重点的に行うトレーニーにとっても「ビギナーの壁」とされているようです。某匿名掲示板でもこのようなガイドラインがあります。
BIG3をトレーニングルーティンに組み込む必要はありませんが、初心者を脱するにはこのくらいのスコアが最低限必要になります。
BIG3のトータルが400kgを超えたあたりからコンパウンド系種目においてもコアが強くなった影響からフォームも固まり、高重量を扱えること・ターゲットに効果的に負荷をかける事ができるようになります。
また、このスコア以下のトレーニーがトレーニング理論・サプリメンテーションの知識を語っても相手にされることはないので注意しましょう。
ちょっと手厳しい感じですが。
なぜトータル400kgが目標値なのか
スプリンターの場合、体重あたりのパワーが重要です。60kgで400kgとなりますと、単純計算で体重の約6.67倍。目標値はおよそ以下のようになります。
体重50kg …約335kg
体重60kg…約400kg
体重70kg…約470kg
恐らくですが、同じ体重でも身長が高い人の方が難易度が高いと思われます。身長180cmと160cmでは、同じ60kgでもそもそもの体組成が違います。
個別に内訳を考えてみるとどうでしょうか。
体重70kgとして、ベンチプレス110kg-スクワット180kg-デッドリフト180kg で丁度470kgです。
ベンチプレスで体重の1.5倍、デッドリフト・スクワットが体重の2.5倍という、ひとつの壁をクリアーできています。
クイックリフト系で重量を追うのは、この水準近辺に到達してからでも良いと思います。
ちょうど感覚が変わってくる重さ
前置きとして書いたとおり、BIG3と疾走速度の直接相関はありません。しかし、この数値を目指す過程でパワーポジションを掴んだり、不足していた筋肉が付いたり、高い出力を出せる神経が通ったり…といったことは十分に考えられます。
前述した某掲示板のガイドラインでもちょっと書かれていましたが、このくらいの重量を扱えるようになりますと、明らかに感覚が変わってきます。
努力次第で到達できる
この目標値の良いところは「努力次第で到達できる」ということです。
パワー系の世界を見ると、ベンチプレスひとつとっても体重の2倍3倍を挙げる選手もいます。ですが、BIG3のトータル400kg(体重×6.67倍)であれば努力しだいで何とか到達できるラインです。
おそらく年単位の時間がかかりますが、努力次第で到達できるのがこの目標値の良いところです。
まとめ
ここまでウエイトトレーニングについて力説しましたが、あくまでトレーニングは「手段」です。感覚的に良くなければウエイトトレーニング以外の手段を選ぶも良しです。
また、BIG3のトータル400kgというのもただの指標です。ベンチプレスを挙上したいがために、走りに関係が薄い上腕などの補助種目をせっせとやり出すのは本末転倒です。
鍛練期は特に「あれもこれも」と詰め込みがちです。上手く取捨選択しながら計画を進めていきましょう。
今回はここまで。