どうも、森です。
トレーニングについての話題です。今回は手短に書きます…。
自分の動きを記録していますか?
突然ですが、皆さんはトレーニング中の自分の動きを記録していますか?
特にクローズドなスキルが要求されるスポーツは、自分の動きがほぼ全てです。主観と客観のすり合わせといった面からも、試合やトレーニングを撮影している選手は多いでしょう。
力感は悪くないけど、まだフィジカルが戻ってないかな… pic.twitter.com/86huJSgFpM
— 森の人 (@Sulak_alanlar) 2018年11月20日
しかし、陸上競技の短距離選手というのは不調時の自分が死ぬほど嫌いな人種です。笑
疲労や不調で動きがグチャグチャだった日の映像なんかは速攻で消したくなりませんか?
不調時の映像、残していますか?
慢性的なスランプでない限り、短距離選手の動きが悪い原因の多くは疲労です。
ですから、映像を見て「脚の戻りが遅いな、走り込みの疲労が原因だな。容量もったいないし消そっと」とデータを消していませんか。
結論から言いますと、全部残せとは言いませんが多少は残しておいた方が良いです。
個人間比較と個人内変動
スポーツで何か映像資料を手がかりにパフォーマンスを上げたい、と考えたとき最高の教材は何でしょう。
私見ですが、自分のパフォーマンスを上げたい場合はまず自分の映像を複数見るべきと考えます。
個人間比較とは
例えばウサイン・ボルトと自分の走る映像を比較したとしましょう。なるほど、かなり動きが違うことがわかります。特に脚の引き戻しなどはかなりの差があると思います。
このように、上の選手と自分を比較し「ここが足りない、ここが無駄になっている」といった要素を見つけていくことは「個人間比較」にあたります。
これはこれでれっきとした手法ですが、問題点もあります。それは「前提条件が違う」ということです。
もともとの競技レベル、体格、使用しているシューズ…などなど、挙げればキリがありません。どう頑張っても真似できない領域というものがありますし、そもそも真似をしても良い動きかどうかも定かではないわけです。
個人内変動とは
まず、カメラを定点にセットし100m全力走を撮影します。タイムは11秒00だったとしましょう。その後、300mを思い切り走り、直後に100m全力走を撮影。 当然タイムは落ちます。12秒00になってしまいました。
この2つの走りを比較した時、この1秒の差が何によってもたらされたかが分析できます。失われた要素は何か、逆に過大になった動きはないか、接地時間や滞空時間は…といったように様々な分析が可能です。
上記の例のような状況は中々作り出せないでしょうが、自己ベストを出した試合・通常の練習・不調時の3つを比較することで、かなり課題を明確化できるはずです。
注意点
この手法の注意点は「いくら分析しても、自分以上のモノは出てこない」ということです。感覚的なインスピレーションを得るには、やはり他の人の走りとも比較するべきでしょう。
例えば、自分の個人内変動を比較し「接地の瞬間のこの部分の角度が大きい時の方がタイムが出ている気がする…」となれば、答え合わせとして自分よりレベルの高い選手の接地の瞬間と比較します。
常に内的感覚との突き合わせを忘れずに
映像はあくまで動きの結果を記録したものです。これを盲信するのは危険です。内的感覚の答え合わせのようなものだと思って良いでしょう。
かの室伏広治選手は、ある時から自分の動きを映像で確認するのをやめたそうです。映像というフィードバックが、内的感覚を極めるにあたっては邪魔になったのでしょう。
一方で短距離の山縣亮太選手は、レース直前でも自分の映像を繰り返しチェックしています。
トップ選手のように、自分に合った映像との付き合い方も合わせて考えていきたいものです。
今回はここまで。