向かい風参考記録

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マイケル・ノーマン選手のスタートが1年間で素晴らしくなりすぎている件について好き勝手書く

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どうも、森です。

今回は、久々の「好き勝手書く」シリーズです。

マイケル・ノーマン選手概要

マイケル・ノーマン選手は、1997年12月生まれのアメリカの陸上競技選手です。

今年は全米学生選手権400mを世界歴代6位の43秒61で制しており、来年・再来年の世界大会のメダル候補と目されています。

父がアメリカ人、母が日本人ということで、これから日本のメディアでも取り上げられることが増えるかもしれません。

188cm(185cmと紹介している所もある)の長身と恵まれた体躯を上手く制御し、小気味良いリズムとピッチが特徴の走りをします。

ロング距離を主戦場としながらも、今季は200mでも向かい風の中19秒84をマークするなど、100mも9秒台相当の地力があります。

スタート動作の変遷

youtubeでこのような動画がありました。2016年から2017年の末までのスタートの動きを比較したもののようです。

2016年のスタート

この時のスタートの特徴は、まずセットポジションが低いです。

そのためか、ブロックから離れる時に膝が伸展しています。

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また、2歩目で地面をプッシュし切れていない感じが見受けられます。ちょっとスッポ抜けた感じです。とはいえ、この2016年はこの感じで200m20秒1をマークしています。脅威ですね…。

ロング主体の選手は、このように最初から膝を畳み気味に持っていく人も多いです。

利点は努力度が小さい割にピッチが出やすいことでしょう。反面、最初にガツンとスピードの山を立ち上げられないので、高速レースでは押し切られて負けてしまうこともあります。

2017年のスタート

まず大きな変化として、ブロックのセットを変えています。セット時も足長からメジャー計測に変えています。

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▲この時はアシックスを使ってくれていた…

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▲いつの間にかナイキに鞍替え

メジャーでブロックをセットする選手というと、かのマイケルジョンソンは毎回メジャーで計測してセットしていたそうな。

体格もかなりガッチリした印象ですが、スタートは別人のような動きです。

セットポジションからしっかりブロックに圧をかけられる体勢が作られています。また、足の軌道が低い(巻き込みが少ない)動きで地面をしっかりプッシュしています。

(コーチらしき人も「プッシュ!プッシュ!」と指示していますね)

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▲コーナーでのスタートもこの通り

よく100mのトップスプリンターは、このカタパルトから射出されるような飛び出しをします。個人的には、そのうち100mにも出てみて欲しいですね。

今後要注目の選手

かくして、学生トップから世界のトップレベルまで大躍進を遂げたノーマン選手ですが、2018年は世界大会がありませんでした。

そのため、日本ではまだ一部の界隈で「この人凄くね…?」みたいに言われているレベルです。

ですが、この修正力・スピードは間違いなくワールドクラス。それに年齢もまだ20歳。

かのマイケルジョンソンが自己ベストを叩き出したのは30歳を過ぎてからです。

もしかすると、次の世界大会で現ワールドレコードホルダーのバンニーキルク選手を追い詰めるのはノーマン選手かもしれません。

 

今回はここまで。