下記記事の後編になります。
アキレス腱痛対策
前提として「休めるなら休む」というに尽きるでしょう。
名スプリンターの中にも、引退の原因がアキレス腱痛であった選手は多くみられます。
私自身は、本当にひどい時のアキレス腱痛は自然災害のようなもので「どうしようもない時は痛みが過ぎ去るまでどうしようもない」と思っています。
無理を重ねると組織が変性してしまい、深刻化するケースもあるようです。
アキレス腱痛対策グッズ
私自身、アキレス腱痛がいきなり出るまでアキレス腱周辺に障害が出たことはありませんでした。
それまでアキレス腱のことは考えたことも無かったのですが、最低限、足底の補強とインソールの見直しくらいはしておけば良かったと思っています。
インソールに関しては、最近は良いものが出ているようです。が、痛みのある状態になってから使っても意味が薄いです。再発防止には良さそうですが…。
アキレス腱痛の治療法など
アキレス腱痛を発症してから、いくつかの治療を受けました。ケースにもよるでしょうが、良かったものからイマイチだったものまで色々あります。
電気治療
電気治療とはいってもピンキリですが、いわゆる整骨院にあるようなタイプのものです。これは体感的な効果は薄かったです。
筋肉を痛めた時と違って「痛んでいる所に入っていってる」感覚がありませんでした。
中には「ハイボルト(ハイボルテージ)療法」といって高電圧の電気治療があります。こちらはよりスポーツ傷害に効果的なのだとか。
鍼治療
これは本当に施術者の腕によります。できればスポーツ系に理解があり、アキレス腱痛に関して実績のある先生が良いでしょう。
対症療法としてはかなりの効果を感じました。ただ、私の行っているところの先生はかなりイイ感じのサイズの鍼を幹部付近にガンガン置いていくので「アキレス腱に穴とか開かないかな…」と怖かったです。
ただし、鍼治療のみで完治は難しいと思われます。痛みが弱くなったからといってトレーニングを再開すると、痛みがぶり返しました。
グラストンテクニック
特殊な金属のバーを用いて、全身の筋膜の不調を改善させる技術です。アキレス腱痛の治療にも一定の実績があるようです。
「メチャクチャ痛い」と評判の治療ですが、まー痛いです。
筋膜リリースのローラーとかでハムストリングの拘縮しているところをゴリゴリやると「うっ」となりますが、それがそのまま凝縮されたような感じです。
認定を受けた先生が少なく、治療院も限られていますが「鍼も電気も効かない…」といった方は遠方でも一度行ってみてはどうでしょうか。
GTプロヴァイダー検索|グラストンテクニックジャパン|GRASTONTECHNIQUEJAPAN
ショックマスター
衝撃波を当てて、凝り固まった組織にアプローチするという方法のようです。
私自身は受けたことはありませんが、アキレス腱痛の治療実績もあるようです。慢性化している方などは一度扱っている所を訪ねてみるのも良いかと思います。
まぁ痛いらしいです。
イオン活性療法
イオン活性療法、通称「リバイブ」。やっている所がかなり限られており、私自身は施術を受けたことはありません。
かなり苛烈な治療のようで、ツイッターなどで検索すると拷問を受けた後のように内出血している画像が出てきます。
セルフマッサージ
原始的というか古典的な方法ですが、テニスボールやゴルフボールを踏んで足底にアプローチする方法です。
リリースローラーによるセルフマッサージと併せて、それなりに有効だったと感じています。あくまでセルフケアの域を出ませんが。
アイシング
治療法というより基礎ケアの一環という感じですが、それなりに有効でした。
特に夏場はスパイクで走るとその後じくじく痛むことが多かったので、ラウンド間はアイシングをしていました。鎮痛効果自体はかなりあります。
テーピング
KTテープなど貼ってはみましたが、サポートをあまり感じられませんでした。また、足首周りはテープも剥がれやすいです。
ハムストリングなどに不安があるときにはテーピングをするとサポートを感じられますが、アキレス腱痛にはテーピングより専用のサポーターの方が良いでしょう。
ロキソニン
ロキソニンの優れたところは「炎症物質を抑える」ことで鎮痛することです。
痛みに対し鈍感になるタイプの麻酔とは鎮痛の仕組みが違います。
個人的には、本格的に痛い時にはあまり体感効果はありませんでした。
ステロイド
アキレス腱周辺がバンバンに腫れていて歩けない…なんて時にステロイド注射という手段もあるようです。
私自身は咳喘息の時にステロイドを処方してもらいましたが、ステロイドの抗炎症作用は凄いです。ただし、繰り返しステロイドを注射すると腱組織が脆くなるなんて説もあります。
減量
もはや治療でも何でもありませんが、個人的には効果がありました。
「学生の頃よりパワーはついたけど、体重も増えている」というスプリンターは少なくないはずです。
体重が1kg増えた場合、腱にかかる負担はその10数倍といわれています。私の場合2kg減らした時点でアキレス腱痛が激減しました。
アキレス腱対策は複数手段を合わせて行うべき
私の場合、当初は「圧痛なし・伸ばしても平気」といった状態だったので鍼治療を何回か受けながらシーズンを続行しましたが、3ヶ月くらいで走るたび激痛が走るようになりました。
例えば肉離れの場合、軽度でもパフォーマンスに影響が出ます。しかし、アキレス腱痛は深刻化していない限りは「走ろうと思えば走れる」ものです。
アキレス腱痛が出てしまった場合は、試合を取捨選択し、多少遠方でもできるだけ信頼のおける治療を受けるべきです。「近所だから」と近場の整骨院で対処療法を受けていては根治は難しいでしょう。
私の場合は、治療と減量を同時並行することでかなり痛みを軽減できました。アキレス腱対策は「治療だけ受けて終わり」ではなく、根本へのアプローチも同時に行うべきでしょう。
長くなってしまいました。
今回はここまで。