向かい風参考記録

陸上競技 その他 いろいろ

月に80時間以上残業すると心身がどうなるか知っていますか?

f:id:Wetland:20200322200059j:plain

突然ですが、皆さんは月に80時間以上の残業を経験したことはありますか。

私は以前の部署で約2年弱ほどそのような環境に身を置いたことがあります。PCを整理していたら当時のメモが出てきましたので、今回は備忘録を兼ねて当時の状況などを書いていこうと思います。 

当時の労務環境

社会人ならご存じの方も多いでしょうが、月に80時間の残業というのはいわゆる「過労死ライン」です。厚生労働省の公表している認定ラインは「健康障害が発症する前2〜6ヶ月間に月の残業時間平均が80時間を超えている」とされていますが、当時の平均残業時間は月70〜90時間の間を行き来していました。

80時間というと平日は平均4時間の残業ということですから、退勤は夜22時頃になります。当時の感覚としてはどこかに繁忙期があるというものではなく、繁忙期と超繁忙期だけがある感じでした。現場対応、事務作業、施設管理に加えイベント対応まであったため「休日出勤」「突発的な残業」「早朝に電話連絡が来る」といった事態が日常茶飯事でした。

当時は10人以上の臨時職員(7:00〜勤務)の勤怠管理まで担当させられていたため、朝6時くらいに欠勤連絡の電話が来て叩き起こされることも多々ありました。

身体に起きた変化

その部署には年度代わりの4月配属となり、翌年の12月までの2年弱所属していました。その間も大会に出るため陸上競技のトレーニングを行っていたため、平日の夜1時〜3時まで坂道を走り込んだりしていました。

その結果か2回病院送りになったり血尿が出るなど、様々な心身の変化がありました。書き出すとキリがありませんので主なものをピックアップします。

常に酷い眠気がある

これは配属後2ヶ月経たないあたりから、比較的早くに出た症状です。恒常的な睡眠負債とストレスのダブルパンチで、どこでも気絶するように寝てしまうことがしばしばありました。式典や研修はもちろん、出先での1対1での打ち合わせの最中に寝てしまったこともありました。

圧迫感を伴う頭痛・瞼の痙攣

1年を過ぎた辺りから、こめかみの辺りが心拍に合わせて脈打つように痛むことがありました。その頃から瞼が常に痙攣する症状が出ていました。眼精疲労だったのでしょうか。

口の中が苦い・お腹が熱い

これも1年を過ぎた辺りからの症状だったと思います。よくメンタル系の病気になった人が「食べ物の味がわからなくなった」といいますが、そこまでは行かなくとも口の中が苦い感じがありました。

認知や思考にモヤがかかった感じ

1年と3ヶ月が経った辺りから深刻になりました。これは実際になったことがある人は分かる症状ではないでしょうか。外との間に薄い膜のようなものがある感じがありました。

物は見えているし音は聴こえているけれど、それが何を意味するのか、それを使って何をするのか。一連の伝達にラグが出るようになりました。

体に力が入らない・舌が回らない

指先などに力が入らず、よく物を落としました。後で調べて分かったんですが、この症状は結構ヤバい部類のやつらしいです。舌が回らないのは電話対応の時などに感じました。

心の変化 

身体症状が数ヶ月目〜1年半過ぎまで目まぐるしく変わったのに対し、精神的な変化としては半年辺りから衝動的な行動が増えました。 

他罰的になる

ストレスがかかったとき自罰的になるタイプと他罰的になるタイプがいるそうですが、私は後者でした。明らかに攻撃的になり、よく物を壊すようになりました。「人に当たらないだけマシ」という考えのもと、イライラしたとき目についたものには蹴りを入れていました。

自分を制御できなくなる

とにかく自分でも次の瞬間、何をし出すか分からなくなるときがありました。急に登れるか試したくなって壁によじ登ったり、歩いて帰る最中は大声で歌いながら帰ったりしていました。

部署から脱出した方法

大きなキッカケは健康診断で血尿が出たことでしょうか。さすがに命に関わるということで直属の上司を1つ飛ばさせてもらい、統括を行っている上司に「心身の状態が悪化していること」「恒常的にこのような状態は異状である」「そもそも違法であること」を直訴しました。

幸いにも数ヶ月後に異動することができましたが、心身が回復するまで半年以上かかりました。元部署は私が異動後に増員されていましたので、後任の者は何とか人間らしい生活ができているようです。

最後に…

入ったとき「アレ?」と違和感がある部署や職場は、行動を起こさないと変わりません。変に遠慮したり耐えたりすると「コイツは大丈夫」と判断され優先度を下げられてしまいます。

労務環境の改善については周囲の利益にもなりますので、できるところから進言していきましょう。個人的には「診断書の提出」が強いカードで「外部にこの状況をリークします」が最強カードかなと思います。

「周囲との折り合いが」「昇進が…」など、行動しない言い訳は色々浮かんできますが、自分の人生で自身の健康や命よりも大事なものは無いはずです。身動きが取れなくなる前に行動してみることをおすすめします。

 

今回はここまで。